アジアのベストレストラン9位の実力とは

2020年のアジアベストレストラン8位に入りミシュラン二つ星を持つNARISAWAに予約を取ることができたため行ってまいりました。フランス料理と日本料理のフュージョンといった趣ですが、土のスープだとか自然をうまく使った料理が評判で、里山キュイジーヌ(革新的里山料理)という独自のジャンルを打ち出しています。通常は9割方が海外のお客となっており、滅多に予約が取れない人気のお店なのですがコロナの影響もあり今回は一休を通してインターネットで4日前にもかかわらず予約を取ることができました。海外の客が増えるとまた予約困難になると思いますので、ぜひ興味のある方は一休で予約してみてくださいね。

感想

南青山というおしゃれな立地とモダンなレストランの中で食べる里山料理、簡単に言い換えると都会で食べるおしゃれな田舎料理といった印象でした。ややもすれば野暮ったくもなりうる山菜やジビエといった素材を洗練された感覚で調理してモダンな雰囲気に変え、都会では得られない山や森でのリラックス感を得ることができるといった店という感じでした。

33000円だと12品,22000円(ランチのみ)だと6~7品となっていました。今回は33000円を頼みましたが22000円のコースでも美味しいのは逃さず入っていたので22000円のでもよかったかと個人的には思いました。

メニューの詳細 33000円のお任せコース&18000円のペアリング

①森のパン2010 苔

酵母を入れて小麦粉を発酵させ時間がたったころにテーブルで200度に熱した石臼のようなものに入れて石焼にしたあと、作りたてを食べさせてもらうというパフォーマンス。クリの木を粉にしたものを焼く前に入れてもらう。木を食べてもらうというコンセプトとのこと。柑橘類を中に入れており香りが高い。個人的にはぐにゃっとした触感だったのでもう少しパリッとしたパンの方が好きかなと思いましたが、パフォーマンス的には面白いと思いました。

②小田原の稚鮎と桜

最も美しかった一皿がこちら。なんと生きたまま素揚げしたとか。稚鮎のうまみが凝縮されており、見た目ならず味もよかったです。

➂自然薯とカラスミ

自然薯(ヤマノイモ)をお焼きのように焼いたものにカラスミが入っている。自然薯は非常に軽く、中のカラスミも思ったより軽い味わい。

④広島天然池のジュンサイとグリーンキャビア

天然のジュンサイ(ほとんどが養殖だそう)をいれた料理。触感が楽しめる。

⑤アオリイカ、タラの芽、ハマグリ

手前のアオリイカが軽くあげられており非常にうまみがあった。タラの芽の苦み、木の芽ともよく合い完全に和の雰囲気。ハマグリはうまみが逃げてしまったような印象。

⑥雲丹と天然ホタテのグラタン

乳製品をまったく使わず湯葉と豆乳で作ったグラタン。ペアリングで出されたお酒の酒粕が入っているという。雲丹とホタテが入っており食べごたえあり。

➆ツキノワグマと花山椒、月山筍

メニューに月の輪熊と書かれてあって、何か他の食材の愛称かと一瞬疑ったがどうも本当の熊らしい。けもののような臭みがすごいのかと思いきや何にも臭みは感じない。雑味はないが、高級感も特になく、牛煮込み見たいな感じ。大量にかぶさった花山椒がおしゃれな味わいに。

⑧赤むつの握り

赤むつを握り風にしたもの。素手ではなくお箸を使ってくれといわれました。赤むつは赤ワインと合わせたせいか少し臭みを感じました。赤むつは脂っこいので白と合わないとのことでした。

➈赤座海老 白子筍 コシアブラ

コシアブラは初めて食べましたが、最近人気が出てきている山菜なのだそうです。赤座海老と合わせてゴージャスな雰囲気をただ良さわせています。

 

➉ 蝦夷小鹿のステーキ 鬼蕨 山ウド

小鹿にはまったく臭みはありません。ちょっとぐにゃっとした食感でした。ソースは血をイメージしているとのことです。鬼蕨が見事です。

評価

素材の組み合わせ オリジナリティー★★★★★ ここまで山菜を食べやすくかつ外国人にも受け入れられるような上品さに仕上げられる店もそうそうないと思いました。すべての料理に山や里の香りがして田舎にトリップできる感覚があります。

おしゃれ度 ★★★★★ 南青山にあり、店内もシンプルながら高級感があります。水商売っぽい女性も来てらっしゃいました。

熟成された奥行きのあるうまみ ★★★ これがこの店のネックかなという風に思います。稚鮎やアオリイカなど素揚げされているものを除いては、うまみが逃げているものがどうも多いように感じられ、肉にしても魚にしても高級店にしては物足らない感じがしました。もしかして肉や魚に視点があるのではなく、山菜のほうに視点があるのではないかと感じられるほどでした。

香り ★★★ 松の葉とジンをブレンドしてカクテルを作ったり、パンの中の柑橘類が入っていたり、木の芽など香がいいものも多かったが、魚の臭みもまた感じるものがありました。

コストパフォーマンス ★★ 唯一無二の店とは思いますがやはり価格が35000円近い店なので、肉や魚の質はもう少しよくすべきだし、半額ぐらいで、もっとよい肉料理、魚料理は他の店で出すところはあるのでお得感は低いかなと思います。飲み物のペアリングもフレンチの年代物のワインが値段的に出てくるかと思ったのですが、若いものが多くて軽い感じで終わってしまい、しっかりとした満足感があまりありませんでした。そういった意味でお得感はなかったです。

 

 

総括

アジアのベストレストランに入るような要素、特に日本の里山でしか入らないあくの強い食材を上手に使ったというオリジナリティーは強く感じられ、外国人に人気が高い理由がよくわかりました。都会の洗練された雰囲気で山里のうまみを味わえるというのは、他に類を見ないのではないかと思われます。また白人のスタッフも雇っており、こういった気配りやテーブルで発酵したパンを焼いて食べるといったパフォーマンスがアジアのベストレストランに入る人気の秘密だと思います。何度も行けるようなお値段ではないのですが、またメニューが変わるような時期に行ってみたいとは思います。