奄美大島のそばにある喜界島と徳之島。二つとも行ってみたいけどどちらにしようか迷っていないでしょうか。二つの島は奄美大島の文化圏なので、似ている部分もありますが、個性的な部分もあるので、この記事を見てどちらにするかぜひ決めてみてください。
徳之島 喜界島より広く、観光地もまずまず見応えあり。美しいビーチが多い。リゾートホテルがある。レンタカーを借りて周遊すると楽しい
喜界島 バックパッカーが自転車で回るのにとてもおすすめ。シュガーロード、サンゴの石垣などが見どころ。山羊や白胡麻、花良治みかんなど特徴的なグルメもある
徳之島の特徴・良い点
- 喜界島と比べると比較的見応えがある観光地がある
- 小規模ながらも美しい海を見ながら過ごせるリゾートホテルがあるので、カップルなどにも良い
- レンタカーで2.5時間で島を一周できるなど程よい大きさ
- 海を眺めながら走れる道が多く満足度が高い(喜界島は少ない)
- アマミノクロウサギなど珍しい動物が住んでいる
- 闘牛場があちこちにある(試合を見るにはイベント期間中に行く必要がある)
- 温厚な人が多く、仲良くなると色々サービスしてくれる場合が多い
- 長寿の島。ギネスに120歳まで生きたと載った泉重千代さんの家と銅像や116歳まで生きた本郷かまとさん生誕の地がある
徳之島の悪い点
- バスはあるが、本数が少なく、Google Mapなどで経路が出てこないため面倒
- 周囲90kmと比較的広いので上級者以外で自転車で回るにはかなり難易度が高い
- ハブがいるので山などにガイドなしで行くのは危険
- 奄美の中心地、名瀬からフェリーで5時間ほどかかるので、飛行機以外の場合は時間がかかる
徳之島の主な観光地
奇岩・絶壁・ビーチなどが主な見どころです。離島ですが、巨岩もあり驚きますよ。
犬の門蓋(じょうふた)
空港から車で15分、平土野港から歩いて30分ぐらいにある景勝地で、写真のメガネ岩が特に有名。この他にもキノコのような形のキノコ岩などもあります。周りに面白い奇岩があるのでチェックすとると良いと思います。サンゴの尖った岩や崖も見応えがあります。犬の門蓋という名前の由来は不明。野犬の群れがこの辺りに住み着いていたからという説や人を襲う野犬をこの辺りで海に沈めたからといった説があります。展望台からは寝姿山などもみられます。
ウンブキ
空港に程近いところにある陸の中の海。鍾乳洞が沈下したことにより400m先にある海と繋がったものです。2011年には「ウンブキアナゴ」という新種のアナゴが発見されました。その他まだ名前のない海老なども発見されています。海底鍾乳洞は日本でも珍しく、日本のセノーテともいえ、まだ有名ではないものの整備次第ではこれから知名度が上がりそうです。
現在は入口のみの観光で、ダイビングはできないものの、整備を目指しているとのこと。
犬田布岬
奄美十景にも選ばれた景勝地。青い海と断崖絶壁が非常に美しい場所です。
戦艦大和の慰霊塔があります。合掌をした人の形になっており、前には錨が置かれています。ただ実際に沈没したポイントはかなり徳之島から離れており、最初の沈没報告が徳之島の西北という報告があったため、徳之島のイメージになったようです。
ムシロ瀬
鹿児島の離島と思えないような巨岩が連なる景勝地で奄美十景の一つです。
プリンスビーチ
現在の天皇が皇太子自体に訪れたことから名付けられたのが、このプリンスビーチです。
ソテツトンネル
なくさみ館
徳之島にはいくつか闘牛場がありますが、全国大会用に作られたのがこのなくさみ館。牛の角のタイプや技などを解説した小さな資料館もやっており、運が良いと練習風景が見られます。
徳田虎雄顕彰記念館
あまり公式ホームページやパンフレットでは紹介されていませんが、港から15分ほど歩いたところにある資料館で、医療に興味のある人は一度は行って欲しい場所です。24時間空いている病院は今では珍しくありませんが、徳田医師が始める前では存在していませんでした。関西や離島にある徳洲会という名前のついた大きな病院はこの徳田氏によって作られたものです。
少年期に発作を起こした弟が医者に診てもらえず死んでしまうという壮絶な経験をしてから、医者に診てもらえず自分も死ぬのではという思いで、猛勉強して試験に合格。公立の病院が土日休みであることに疑問を抱き、自分の生命保険を担保に休みなしの病院を始めます。開始当初はあちらこちらから重症患者が運び込まれ野戦病院のようだったそうです。そんな素晴らしいアイデアも、地元の医師会からは、便利すぎる病院として反発を受け、奄美に病院を作るときも政治家を通して圧力を受けます。そんな経験から国会議員にまでなった、徳田氏。壮絶な人生を紹介している記念館です。
豪華な建物からは美しい海が見られます。資料館は500円ですが、本などもプレゼントしてもらえるのでぜひ入ってみてください。カフェは自由に入ることができます。私が行ったときは地元の学生とかが勉強をしていました。
徳之島おすすめのホテル
徳之島リゾートホテル&オフィス <徳之島>
美しいビーチ・珊瑚礁に囲まれた遠浅の海・奇岩・ハワイを思わせる山など癒しの要素がたっぷり詰まった小さなリゾートホテル。なんといっても隠れ家的なプライベートビーチがあり、観光客に邪魔されず自然を堪能できるのが本当に魅力的。バルコニーも広めに作られており、2Fのツインの部屋は特におすすめ。夜ごはんの提供はないのですが、タクシーチケットをもらえるので、亀津の居酒屋などに行って郷土料理も楽しめます。従業員の方もホスピタリティたっぷりです。
ホテルサンセットリゾート
空港から車で10分ほど、ヨナマビーチの目の前にあるホテルで、美しい夕日を見る事ができます。リゾートと名前がついていますが、どちらかというと昭和の雰囲気があるホテル。運動系の合宿によく使われるそうで、ホテルの近くには高橋尚子さんの「尚子ロード」の碑があります。ダイビングショップなどもありマリンスポーツをする人にとても良さげなホテルです。周りに飲食店が少ないので、食事付きがおすすめです。
ヨナマビーチでは熱帯魚や海亀などが見られることも。
トライアスロンの会場としても使われています。
Red Inn
空港や平土野港あたりに泊まる方はこちらの自動チェックイン・チェックアウト式のビジネスホテルがおすすめ。シングルユースのみですが、5000円ぐらいで漫画読み放題やDVD、お菓子、お茶、朝食にご飯、味噌汁、パン、ジュースなど簡易なものがサービスであります。
ホテル グランドオーシャンリゾート
2005年にできた比較的新しいホテルです。市内にあり、スーパーなどに行くのもとても便利です。海側の客室は、とても眺めがよくおすすめです。シングルは5000円台ととても安いのですが街側のビューのみなので気をつけましょう。チェックインは13時からと非常に早く、深夜12時まで対応。朝食の鶏飯がとても人気です。
徳之島おすすめのグルメ
徳之島は地元客に向けた店が多く、観光客向けの郷土料理を扱っている店が少なめですが、しっかり店を選んでいくと観光客でも楽しめます。西の天城町あたりに泊まる人はチロルで「トンテキ」、空港で「鶏飯」、または沖縄そばがおすすめです。
東の亀津に泊まる人はおすすめの居酒屋「和み屋」に行ってみましょう。パパイヤの天ぷらや島のみかんの味をつけた唐揚げなど創作料理がたくさんあります。ランチは漁師の店 さかなが安くていいと思います。
チロル
徳之島の西には空港があります。空港付近には自転車で回れる観光地があるので、車がない人はこちらに泊まっても良いかもしれません。徳之島の西側はあまり郷土料理の店がないのですが、ボリューム満点の洋食を出すチロルでは「トンコツ」という骨付きの豚肉料理が食べられます。黒糖や黒糖焼酎を使って甘く煮込み、骨からの旨みも味わう事ができます。
空港のレストラン Blue Marine
徳之島の空港では奄美諸島を代表する料理「鶏飯」をいただく事ができます。地鶏を使っているので、筋肉質で、しっかりとした味わいがあります。出汁も自撮りの旨みが出ているのでしっかり堪能したいところ。
上の写真は「シークニン」というかなり酸っぱい島のみかんを使ったフロート。元々甘みがないのでシロップで調整します。アイスクリームの甘さと合わせてうまく調整できるようになっています。カウンターからは飛行場を見ながら楽しむこともできます。
和み屋
亀津で一番美味しい居酒屋。島の食材を使った創作料理が魅力的で、たくさん食べられるようにハーフサイズのものも出してもらえます。半個室やカウンターもあるので、一人客から家族でも楽しめますよ。大将は大阪で修行しただけあって、洗練された味付け。お通しも揚げたてのものが出たり、特に塩加減が絶妙です。
半個室でプライベート感があります。
カウンターもあるので一人でも便利。
徳之島のキクラゲをたっぷり使用。鮮度がすごく高いです。
前にも紹介した島のみかん「シークニン」の香りがついた唐揚げ。こちらはハーフサイズです。
珍しいパパイヤの天ぷらはおすすめ料理の一つ。
こちらはシークニンのお酒。苦味や甘みも加えて絶妙な味に仕上げています。
お刺身盛り合わせは漁次第ですが、地元で取れた夜光貝、タコ、アカマツなどがありました。地元の魚が食べたい人は試してみましょう。
漁師の店 さかな
若手の漁師が集まって作ったお店が「漁師の店 さかな」海鮮丼小が600円からとかなりリーズナブル。夜光貝のパスタは一度は試したい和風パスタです。食事ができるのは11:30-14:00のお昼のみで、お土産や魚などは18:00まで販売しています。テーブル席だけでなくカウンター席もあり一人旅の人にもありがたい存在。
漁師の店 さかな公式ホームページ
徳之島の名産・グルメ
ミキ
お米を醗酵して作ったのが「ミキ」。甘酒よりヨーグルト飲料に近いような感じで飲みやすいドリンクになっています。
卵おにぎり
徳之島のソウルフード。卵をまいたおにぎりで、想像のつく味ですが、スーパーやコンビニなどでも販売されるほどよく見る食べ物です。
喜界島の特徴・良い点
- オオゴマダラをはじめとする大きな蝶が多い
- 南の方には見事な石垣が残っているエリアがある
- ハブがいないので、さとうきび畑に近寄ったり山の探索なども比較的自由にできる(徳之島にはハブがいる)
- 周囲40kmの小さな島なので、自転車などで観光地も回る事ができる(島の中央にある展望台などは標高200mぐらいなので、電動自転車がおすすめ)
- 国産では珍しい白胡麻や癖のないヤギの刺身など特産品がある
- 街には居酒屋も複数あって意外にチョイスが多い
- 奄美からフェリーで2時間、料金は3000円台と比較的安めで便利。(徳之島は5時間)
- 離島だが、フェリーでコンテナがどんどん運ばれてくるので比較的物資が豊富(これは徳之島も同様)
喜界島の悪い点
- ホテルのチョイスが少なく、リゾートホテルがないのでムード重視のカップルなどにはおすすめできない
- ビーチはあるにはあるが小さくて見応えがあまりない
- 目玉となる大きな観光地があまりない。のんびり派におすすめ
- 奄美からの高速船がないので、簡単な日帰りなどが難しい(徳之島も同様)
- バスなどはないので、レンタカーや自転車などを借りる必要がある
喜界島の観光地
阿伝集落の石垣
喜界島の南の方には石垣が立派なエリアがあります。今も人が住んでいる家もあれば、放置されてジャングルのようになっている家もあり独特の雰囲気を醸し出しています。台風を防ぐ石垣は、ハブがいる島ではハブが棲みつくのを防ぐために壊されている事が多いのですが、喜界島にはハブがいないため保存状態が良いものが多く残っており、見応えがあります。
左は人家があり、右側はジャングル化しています。
石垣のある神社
これは別の集落ですが、石垣に囲まれた喜界島らしい神社を発見しました。
シュガーロード
サトウキビの道は小浜島が有名ですが、喜界島の方は一本道がどこまでも続いているので、雄大な感じがあります。この道以外も雰囲気のある道が何本かあるので、自転車で回るのも楽しいです。ただ坂はきつめなので、電動がおすすめ。
こちらはシュガーロードから少し外れた道ですが、海との対比がとてもいいです。
ガジュマル
こちらは手久津久という集落にある樹齢100年を超えるとされるガジュマルです。島の宝とされています。
上の写真は魔女の木とよばれるガジュマル。魔女の爪のような感じがありますね。サトウキビ畑や海ともよく合います。
ビーチ
海が好きな人は、ビーチを巡るのも良いと思います。ただ幅が50 m以下の小さめのビーチが多いのと、道からあまり海が見えない事が多かったのが少し残念でした。
ハワイビーチ
北の方にあるビーチ。
スギラビーチ
空港の近くにもピーチがあります。時間調整とかにも使えそうです。
荒木漁村公園付近の海
西の方の海は写真の通り濃い水色でした。ペンキを流したような不思議な色。ビーチではないですが、日本っぽくない海の色だと思います。
小野津海岸
小さなビーチですが、夏には亀が産卵に来るのだそうです。
サンゴの化石
サンゴが隆起してできた島だけあって、サンゴの化石もよく見られるそうです。(写真は多分ですがサンゴの化石。)
蝶の島
私は喜界島に行った時は一日に50匹ぐらい蝶を見ました。特に山の方に行くと花に群がっている蝶をよく見ました。喜界島では食草になる木を公園などに植えて、蝶を増やしているそうです。オオゴマダラは南の島の貴婦人のもよばれる美しい蝶です。
写真はアサギマダラという渡りをする珍しい蝶です。アサギマダラともう二種の蝶が舞っていました。魔女の木の周辺の山道で撮影。
喜界島のお土産
お土産にはいろいろありますが、国産のコーラなどもあります。。
黒糖焼酎
サトウキビを使って作る焼酎は奄美諸島のみに認められています。甘い香りがしますが、糖質は0。ビンもの1000円ちょっとなので部屋で飲んでも良いでしょう。
国産クラフトコーラ
下記はトバドバシロップという喜界島の在来種みかんなどを使ったコーラの原液です。
花良治(けらじ)みかんと花良治こしょう
突然変異で生まれた強い香りがあるみかんが花良治みかんです。強く華やかなみかんの香りといった感じですが、味は普通のみかんと一緒と思います。皮を向くだけで、香りが立つので、秋に行ったら一度は試したいところ。なかなか他の島では出回らない幻のみかんです。青い皮のうちに収穫し、焼酎などに皮をつけて楽しむのだそうです。私は花良治集落の売店で7つほどで1100円で売っていたものを買いました。
胡椒も有名でこちらは1500円ほど。生に比べるとほんのり香りがするくらいなので、塩などで薄味にして食べないと分かりにくいかもしれません。
喜界島おすすめホテル
喜界島はあまりチョイスがなく、ご紹介する二つ以外には民宿やウィークリマンションという名の一軒家しかないので、ホテルにこだわる人は喜界島自体あまりおすすめではないです。徳之島は割と快適なホテルがあるのでそちらにしましょう。
喜界島第一ホテル
楽天で気軽に空室検索ができるビジネスホテルで、フェリーが深夜、早朝着でも迎えに来てもらえます。少し古めですが、喜界島の中では立派な建物だと思います。大浴場はサウナがありラジウム温泉になっています。朝ごはんは和食・洋食・鶏飯の3つから選べます。電動でない自転車が3つあり有料でレンタルできます。借りられない場合は、空港まで行くと良いでしょう。
ココネドコ喜界島
喜界島第一ホテルが経営しており、安い時だと一泊3000円ぐらいから泊まれるオシャレなゲストハウス。個室でなくていい人は、こちらもおすすめです。数年しか経っていないようで、建物はかなり新目で、仕事で泊まっている人もかなりいました。ガスや包丁も使えるし、隣にスーパーもあるので、節約派にもとても便利。個々の部屋はベッドスペースのみですが、カプセルホテルのように天井が低くないので割と快適。カーテンの仕切りのみのため、洗面所など共有部分の音はよく聞こえるのですが、イビキとかは聞こえて来なかったので防音は割といいカーテンなのかもしれません。意外と眠りやすかったです。喜界島第一ホテルと同様、フェリーが深夜、早朝着でも迎えに来てもらえます。
喜界島のおすすめレストランとグルメ
麺屋 双
島ゴマ坦々麺は喜界島の白胡麻をたっぷりと使った坦々麺。ゴマは輸入物がほとんどなので、ぜひ国産のゴマを一度は味わって欲しいところです。香りが良いのが特徴で、匂いに敏感な人に特におすすめです。他にも餃子や醤油らーめんなど普通のメニューもたくさん。ディナータイムもやっていますが、ランチタイムが特にいいと思います。
天晴
島で一番人気の居酒屋。地元の人にも人気なので、予約なしで行くと断られる可能性があります。私は5時半から行きましたが、すぐに満席になりました。夜光貝やエラブチーという魚の料理が人気です。
カウンター席があるので一人旅の人もOK。客が多いので、早めに注文しておきましょう。
お通しで出てきた夜光貝の旨煮。
種子島以南で取れる巨大な貝、夜光貝は喜界島以外でも特産品なのですが、喜界島では常設メニューに挙げられている店もあります。刺身は特に美味しく、コリコリした部分と柔らかな部分の二つの部位に分かれます。平安時代から装飾品としても使われており、一見の価値ありです。
喜界島の山羊は本当にクセがないので、一度は食べて欲しいところ。刺身にして食べることもできます。おそらく解体処理の仕方がとても良いのでしょうね。沖縄本島で食べた山羊は獣臭い味がして私はダメでしたが、このやぎはとても食べやすく弾力がありました。
エラブチーの西京焼き。エラブチーは青い魚でブダイが正式な名前。