日本で一番有名な祭りといえば、青森県のねぶたではないでしょうか。国内のみならず、海外の観光客にも人気で、それを狙ってか最近ではミスねぶたに台湾人女性が選ばれるなどますます国際化しつつあります。青森には40ものねぶたがあり、一番有名なのが青森市のねぶたです。この記事ではどのねぶたがおすすめかを解説していきます。知名度では劣りますが、五所川原市の立佞武多も有名で見応えがあるので機会がある人はぜひ見てください。
ねぶたを簡単にいうと?
青森県を中心とした東北各地で行われる七夕の行事のことです。青森の方言で眠たいことを「ねぷたい」などといい、元々は夏に襲う眠気をはらう行事であったことからねぶた、ねぷたと呼ばれるようになったようです。針金で骨組みを作り、紙を張り合わせて歴史上の英雄などを作り、山車に載せて街を練り歩きます。中には電球が入っており、夜は幻想的な雰囲気を醸し出します。昔はろうそくを入れていたのだそうです。
ねぶたとねぷたはどう違う?
青森市ではポスターなどに「ねぶた」、弘前では「ねぷた」という表記を使用しています。国の重要無形民俗文化財に指定された時にこの表記で登録されたためです。このことからねぶたは青森市の人形型、ねぷたは弘前の扇型というイメージがついていますが、青森市民も会話では「ねぷた」と呼ぶこともあり厳密な違いはないと考えて良いでしょう。弘前では扇型以外にも人形型のねぷたも存在しています。
ねぶたの大きさは?
青森 幅9m 高さ5m 奥行き7m(歩道橋の関係で高くできない)
弘前 幅6m 高さが5〜9m 奥行き4m 電線に引っかからないように折れ曲がったり昇降できるようになっている
五所川原 高さ最大で23m。小さいねぷたも多い
青森市のねぶたは他とどう違う
青森のねぶたは他の地域と比べて、企業のスポンサーがいるためとても華やかでエンターテイメント性が高いのが特徴です。青森のねぶたは一台でも総額2000万もかかるとのことです。
良い点
- 紙でできた人形型のねぶたで、他の地域のよりも迫力がある
- 一番華やかでお金がかかっている感じのねぶた(スポンサーの広告も多い)
- ねぶたがスピーディーに動く
- 毎年新しいものを作るので、見るたびに新鮮味がある
- ハネトと呼ばれる人たちの踊りが見られる。観光客の参加も可能
- 「ラッセラー」という掛け声がとても心地よい
- 新幹線の駅である新青森駅から一駅しか離れておらず、県外からのアクセスが良い
- 最終日は賞を取ったねぶたを船に載せる海上運行が幻想的。一万発の花火もみられる
- 雨が降ってもビニールをかけて運行を行う。過去にも雨で中止になったことはない
- 7月上旬からラッセランドで、ねぶたの制作風景を見ることができる
悪い点
- 日程によっては人がかなり多い。はぐれてしまう可能性も
- 席の確保がやや困難
- ねぶたがすぐに行ってしまうのでゆっくり見物できない
- ねぶたが道幅ギリギリの大きさなので交差点を除いて回転できない。(ねぶた全体を見るのが難しい)
掛け声のラッセラーとは?
「酒をいっぱい出せ」が「いっぺらっせ」になまり、ラッセラーになったそうです。
弘前のねぷたはどう違う?
スポンサーがおらず町内会単位で行っているのが弘前のねぷたです。扇型のねぷたにするのは人型のものより、費用が安いからなのだそうです。しかしながら芸術性の高いねぷたもあるので、実際に行く価値がありますよ。青森市のねぶたよりも人が少ない分席の確保がしやすく、ゆっくりと見物ができるのが特徴です。
良い点
- 青森のように3Dではなく、平面に書く2Dのものだが芸術性の高いものも多い
- 狭い道にも入るので、近くから見ると迫力がある
- 電線や看板を交わしていく様子も見どころ
- 青森市に比べると人が少なく席の確保がしやすい
- 弘前市のマスコットキャラなど伝統にこだわらないものも登場する
- ゆっくりと移動するものが多いのでゆっくりと見物できる
悪い点
- 3Dでない分、迫力にややかける
- 県外者にとっては少しアクセスが悪い
- 観光客が行列に参加するのは難しい
- 雨天は中止になる
なぜ扇形なのか?
津軽藩の藩祖・津軽為信の幼名が「扇丸」であったことから。家紋である牡丹が必ず描かれるのも弘前ねぷたの特徴の一つです。
五所川原の立佞武多(たちねぷた)はどう違う?
立佞武多は山車というより建築物のような巨大な大きさを誇るのが特徴です。あまり知名度は高くありませんが、迫力があり一見の価値があります。
良い点
- 巨大ねぶたは高さ23m、建物なら7階の高さに相当する。圧倒的な大きさ
- 小型のねぷたも多いが、観客の前で何度も回転してもらえるなど、全体をゆっくり鑑賞できるので満足度が高い
- 青森市のねぶたに比べると混雑が少なく席も確保しやすい
- 大きいので遠くから立ち見でも十分楽しめる
- 桃太郎電鉄や過去にはドラゴンボールのキャラクターなど変わったねぷたもあり面白い
- ヤッテマレという掛け声が勇ましい
悪い点
- 毎年一台しか造られないため過去のねぷたを使い回している
- 青森や弘前に比べて知名度が劣るため、人に説明するのが少し難しい
- アクセスがやや悪い。青森からはバスで行く方が早い
立佞武多の館
立佞武多の館近くは出陣するポイントなので見どころの一つ。ただし混雑するのには注意。祭りに行けない場合は、この立佞武多の館で巨大なねぷたを鑑賞することができます。
どこに宿を取る?
開催期間中は、五所川原の駅周辺はなかなかとれない上にかなり宿泊料が上がってしまうので、行くのを躊躇されてしまう人もいるのではないかと思います。私が行った時は電車で北の方に1時間ほど行った津軽中里というところで宿をとりました。こちらの方だと値段も割とリーズナブルで、直前でも比較的空いていると思います。津軽鉄道自体も観光になる程人気がありますし。近辺には太宰治が住んでいた家や津軽三味線の演奏が聞ける場所があり、観光としてもなかなかです。
津軽中里近辺の宿
少し施設は古いものの、どちらも料金以上の食事がたっぷり出てくる宿です。一人旅の人にもおすすめ。
ねぶたに行けなくてもねぶたを楽しみたい人は?
青森屋
星野リゾートの一つ、青森屋はねぶたに行くことができない人でも、365日青森の文化を楽しむことができるショーを見ることができます。(ただし定員202名までなので予約推奨)。温泉の評判もよく、ツルツルになる泉質のものです。そのほか蛇口から出るリンゴジュースが飲み放題だったりと楽しいテーマパーク感が満載のおすすめホテルです。朝食はホタテ、サーモンなどをたっぷり載せたオリジナルの海鮮丼が楽しめます。2023年はハネトの体験もできるようになったようです。参加してみたいですね。