イワシの旬は6月~10月で梅雨入りのイワシは入梅イワシと呼ばれ脂がのって美味しいといわれたり、秋頃南下してくるイワシが脂がのって美味しいという説があったりとベストなシーズンについてはさまざまで自分で食べてみるのが一番のようです。最近だと気候変動で冬にもイワシが取れることもあるようです。

今回はイワシを売りにする二店の比較と評判を載せてみました。

まるや→昼は1000円以下で、イワシを含めた魚を中心としたランチ。イワシ料理はイワシ天丼、イワシフライ、イワシ天ぷら、イワシ刺定食の4つのみ。料亭系の味というより凛とした家庭料理といった雰囲気。イワシの苦みをいぶし銀のように渋くうまく光らせた料理が魅力的。

中嶋→ランチは1000円以下でイワシ料理のみ。ミシュラン一つ星獲得した割烹。ランチは並ぶ可能性大。高級感はあるものの老舗感はあまり感じず、ややカジュアルな雰囲気もある。イワシ料理は柳川鍋、塩焼き、煮魚、フライ、刺身定食の5種類。女将をはじめとしたおもてなし気配りが素晴らしい。

評判

 

まるやは”イワシを含めて魚が旨く再訪必至”、中嶋は”イワシ御殿”という二店とも幸せそうなコメントが載っています。

それでは私の体験レポをどうぞ

渋谷/まるや

いぶし銀の苦み。イワシを中心とした凛とした家庭料理

渋谷駅徒歩12分。イワシの専門店と知られるまるや。店構えは高級店を思わせるが、店内はわりと家庭的な雰囲気でオープンキッチン内もそれほど高級感はなく町の食堂っぽい感じも。イワシの専門店と聞いていたものの、ランチはいろいろな魚を扱っており、イワシ料理はイワシかば焼き丼、イワシ天丼、イワシフライ、イワシ天ぷら、イワシ刺定食の5つ。イワシかば焼き丼を注文。イワシにかけられた割と甘めのたれと、いぶし銀のように渋いイワシの苦みがすごくマッチ。イワシ料理は下品な臭みが出てしまうことがあるけれど、苦みを上品にしてしまう技は専門店ならではと感じさせます。付け合わせのピーマンとカボチャも苦みと甘みで合わせており小ぶりの丼ながら計算された感じもあります。雰囲気が家庭的なので大衆魚のイワシが税込み900円のランチは少し高いかなという感じもなくはないのですが、少量ながらも専門店の味わいが楽しめるので行って損はないと思います。

新宿割烹/中嶋

女将をはじめとしたおもてなしが素晴らしい

ミシュラン一つ星獲得店で、初代は北大路魯山人の主催する「星岡茶寮」の初代料理長を勤めていたとか。このようなビッグネームが並ぶにもかかわらず、イワシを使ったランチは1000円以下。結構並ぶと聞いていたので、一時過ぎにいくと二人ほどの列。柳川鍋定食と刺身のハーフを注文。柳川鍋は甘さも控えめで上品ではあるけど、具が玉ねぎ、卵、イワシの三つがメインでボリュームもあるため味が単調で最後少し飽きた感じがありました。イワシの刺身はかなり細く切られていて、刺身となめろうの間みたいな感じでこちらもびっくりはしなかったかな。全体的な総括としてはお値段以上の価値は絶対にあるけれど、ミシュランの味というほどの繊細なものはランチには感じられないかなという感想でした。魯山人とかの名前を出されたから少し厳し目になったのかもしれません。それよりも1000円ぐらいの安い客にも適当にあしらうことのなく、おもてなしをされている女将をはじめとした従業員の姿がとてもステキで素晴らしいと思いました。イワシも脂がのっている季節が美味しいはずだしまた再チャレンジしたいし、やはりミシュランの評価対象と思われる夜のコースも試してみたいです。

総括

どちらも魅力的で、訪問するに値する店だと思いました。まるやはホッとする雰囲気があり、イワシの渋い味が魅力的だし、中嶋は、おもてなしやアクセスの良さ、店の雰囲気が素晴らしいの総括としては引き分けかなという結果でした。ただ味だけで比べると、食事の最後まで飽きさせなかったまるやに軍配が上がるかなとは思います。