オテル・ヨシノとタテルヨシノ銀座とどちらが美味しい? ブログならではの本音の体験記

日本を代表するようなフレンチ界の重鎮、吉野建シェフが経営するフレンチの名店、タテルヨシノ銀座(2020.11.30に閉店してしまい現在では食べられなくなってしまいました。。)と食べログでかーSILVERを取り続けている和歌山のオテル・ヨシノ二つの店に行ってきましたがこちらについてレポさせていただきます。

食べ比べなどという言葉を使うととてつもなく失礼になりそうなぐらいに両店ともに非日常感、高級感にあふれ、高階層から美しい眺望を楽しめるというところが共通点ですが、同じ系列でも料理の中身はかなり違っておりました。

簡単に説明すると下記のような感じになります。

タテルヨシノ銀座- 絵画のように美しく、一皿一皿にたくさんのアイデアが詰まっており、さまざまな具材が色とりどりの味わいを見せる美食系。ミシュラン一つ星。食べログBRONZE。銀座の金持ちの厳しい目をくぐり抜けて達成したようなハイレベルの洗練さを味わえる。総支配人がおられてきびきびと働いているスタッフが印象的。

オテルヨシノ(和歌山)- 食べログSilver。ジビエや新鮮な魚介類などよい食材が手に入れやすいメリットを生かしたフレンチ。イノベーションや芸術的にこだわったり、さまざまな具材を使うというよりかはクラシックなレシピをさらに追求するようなどちらかというとシンプルな味付け。

食べログの点数だけ比較すると、オテルヨシノが圧倒的に良いのですが、さて実際行ってみて結果はどうなるのでしょうか。


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タテルヨシノ銀座

フランス人も認めた超一流のフレンチが5000円から

銀座の一等地にあって、通りを見下ろせる12階。エントランスは高級な外資ホテルを思わせるシック雰囲気でほのかに良い香りを漂わせています。中は天井が高い上に二方向の壁が全面ガラスになっています。今回は運よく通りを見渡せる席が一番よい席を用意していただけました。

ランチはアミューズ+前菜+メイン+デザート+カフェが5000円(税抜き)メイン二つだと8000円フルコースだと12000円

今回は5000円のコースを選択。ネットで予約するとグラスのシャンパン付きでうれしい。

アミューズはオシャレなスタンドに置かれた一口サイズのグジェールやクロケット。クロケットのスパイシーな香りが食欲をそそらせます。花もスタンドに載っていて楽しい。

タテルヨシノ アミューズ

冷製ボルシチ

タテルヨシノ 冷製ボルシチ

ボルシチだけど、具は入っていなくて、カクテルグラスの中に入ったビーツのムース、玉ねぎのソースとコンソメのジュレの三層を混ぜて楽しむ一品。

前菜は4種から選択でき、トーション仕立てとマリネのフォワグラ フリュイセック添えを選択。フリュイセックとはナッツを含めたドライフルーツのこと。レーズンを入れたフォアグラとナッツとスパイスを絡めたフォアグラの二種を楽しめます。様々な具材が絡んで複雑な味わいを出しています。ナッツ、ドライフルーツ、独特のスパイスが中東チックでドバイあたりのイメージをなぜか想像させました。

タテルヨシノ フォアグラ

メインは7種から選択可能。牛ホホ肉の赤ワイン煮込み 色鮮やかなお野菜をまとわせてを選択。3日間煮込んだというホホ肉の柔らかさもさることながら、芽キャベツの苦みやきのこの旨味など野菜の味も多彩で非常に美味しい。

タテルヨシノ ステーキ

グラスワインは1500円からで、ボルドーの赤ワインを頼みましたが香り高く味も非常によかったです。肉の旨味という観点からはそれほどびっくりしたものはなかったのですが、大地の料理”というコンセプトどおり複数の野菜やスパイスが醸し出すハーモー二ーがすごく良かったかと思います。フランス人から認められたシェフの芸術的作品を素晴らしいロケーション、一流のサービスで5000円から食べれるというのはものすごいリーズナブルだと思います。別のホームページにプロポーズにも向くと書かれてましたが、本当ですね。場所的には記念日とかにおすすめですが、ランチは普段使いでもOKの価格だと思います。

オテルドヨシノ

新鮮な魚、野菜、ジビエをうまく使ったクラシックフレンチ

JR宮前駅より徒歩6分。建物の12階にあって、和歌山の景色が一望できて非常に美しい。パーティションにブドウの飾りとかがしてあって店内のオブジェもとてもセンスがよく高級感あり。

オテルヨシノ正面玄関

オテルヨシノ店内

オテルヨシノメニュー

今回はお盆期間だったためにランチも6000円と10000円のコースになるといわれ、6000円のコースに。

オテルヨシノ グジェール ランチ

アミューズはグジェール

スープはヴィシソワーズが来るはずが、観光客とわかったためか急遽魚介のスープに変更してもらいました。和歌山の甲殻類、魚介類、サフランで味をとったのことで、身がはいっていないブイヤベースのような感じで非常に美味しい。オテルヨシノ ランチ ジビエのパテ

前菜は三種から選べ和歌山のジビエのパテを選択。猪を使っておりすごく弾力があり味わい深い。このコースの中では一番美味しかった。夏も猪とれるんですね。

オテルヨシノ ランチ 鯛のポワレ

鯛のポワレ。さすがに新鮮さは素晴らしい。モンサンミシェル産のムール貝も小ぶりながらうまみたっぷり。白ワインソースがかけられていて野菜もとれたて感があり美味しいのだけど一体感が今一つない感じ?美味しいけどいまいち納得できず。

オテルヨシノ サーロインステーキ

アイルランド産のヘアフォードという種類のサーロイン。メニューには黒毛和牛フィレのローストと書かれていたが、なぜかこちらも変更。海外産の牛らしくサシはほぼなく、赤身主体。でも熟成された旨味がありなかなかの味。

オテルヨシノ デザート

手に入りやすい新鮮な魚、野菜、ジビエをうまく使ったクラシックフレンチという感じでそれほど凝った味付けや盛り付け、変わった食材を使用したり、冒険しようとする意図はあまり見られない感じでした。(タテルヨシノ銀座と対照的だと思ました)モダンフレンチが好きな人より、良い素材をじっくり味わいたい人向けと思います。観光客としてはもう一品クジラ、クエ、トコブシ、梅とか和歌山を代表する食材が入ってると感激するかなと思いました。価格は東京とほぼ変わらず、地方のフレンチとしてはかなり高めの設定ですが、他のコースを食べてる人を見てると巨大な岩ガキとかがでていて、高い方がもしかしてよかったかもしれません。手島シェフはジビエが得意とのことなので、その季節にまた来たいと思いました。

 

オテルヨシノ・タテルヨシノについて総括

どちらが好きかといわれれば好みによると思いますが、個人的には銀座の方が圧勝といった感じですね。

銀座 サービス面、もりつけ、芸術面、創作意欲、洗練

和歌山 新鮮さ 素材の良さを生かした調理 王道のクラシックフレンチ

タテルヨシノはなぜ閉店したの?理由は?

タテルヨシノ、非常に素晴らしい料理の数々を提供されていたのですが、あまりの突然の閉店にネット上では驚きの声が聞かれました。理由についてはもちろん公開されていないのでわからないのですが、このページを訪れる人の多くが理由を探しておられるようなので、私の勝手な推測を紹介させていただきます。

東京に三店舗あったので、非正規の社員を切って社員を銀座に集めた。しかし当時、銀座は外国人が多かったことからコロナの中心地と思われ、患者数が減った後でも避けられる傾向が非常に強かった。またナイトクラブ等への風当たりが強く、同伴などが多かった銀座店はコロナの影響をまともに受けてしまい回復の見込みが立たないことから閉店を決めた。。というものではないかと思っています。憶測です。

タテルヨシノ銀座は復活するの?現在の状況は?

関係者の方から小耳に挟んだのは、銀座店の店舗は既に売ってしまったのですぐには再開できないものの、どうも新しい店舗を探しているようであるというお話。もしかして銀座本店の場所ではなくても、コロナが落ち着いたら再開することもあるかも知れません。

タテルヨシノは北海道にも上陸 /ポルトムインターナショナル北海道

タテルヨシノ ポルトムインターナショナル

タテルヨシノ ポルトムインターナショナル

東京では閉店が相次いでいますが、2020年には北海道の新千歳空港内にタテルヨシノの新しい店舗ができています。国内線のターミナルからも7分ほどで到着するので、北海道の旅の始めや終わりなどに寄ってみるのも良さげです。銀座ほど煌びやかな料理ではないのですが、北海道の食材をたっぷりと使っているのでレベルは負けていませんでしたよ。実際に行ってみたので、興味のある人は下記の記事も読んでみてください。

メゾン タテル ヨシノ/ANAクラウンプラザホテル大阪

銀座のタテルヨシノに現存する中でかなり近いと思われるのが、大阪にあるメゾンタテルヨシノ。過去には大阪の人気メニューを銀座で取り上げたり、銀座のメニューと遜色のない絵画的な美しいメニューがたくさん並びます。写真の通り、テーブル同士がかなり離れていて半個室のような状態になっているのが特徴。記念日にはコーラスなどのサービスもあるそうです。一休のサイトからインターネットで予約できるのでとても便利。画像をクリックすると予約サイトに飛びます。

メゾンタテルヨシノの動画はこちら

吉野建シェフと手島シェフの本

吉野建シェフと手島シェフの本のご紹介です

魂のひと皿 素材に命を吹き込む

吉野シェフはこの本の中で、きちんとしたフランス料理の技法とソースがあれば世界のどこでも戦えると述べています。素材が山や海で生きていた時の健全さを、皿の上でどのように甦らせるかという事がテーマ。

フランスの地方を訪れ、見聞を深めさまざまな古典から学んでき吉野シェフ。30年間本を書いておらず、弟子のためになるものを書きたかったそうです。日本に戻ってからは日本料理も学び、フュージョンしたものを作りたいとおっしゃっています。

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フランス料理 王道探求

王道であるクラシックフレンチを追求する手島シェフの書いた本。現代にふさわしいクラシックの解釈、技術やポイントについて書かれています。

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吉野建シェフについて

吉野シェフの素晴らしいところは、日本人がまだ進出していない時代にフランスに修行にいって店を出し、苦労したうえでミシュランの星まで取ってきたという点でしょう。

1979年渡仏し、当時ジョエル・ロブションが率いるパリ「ジャマン」をはじめ、数々のフランス料理店で修業。1997年、再渡仏。パリの凱旋門近くに「STELLA MARIS」を開店。2003年より東京に「tateru yoshino」をオープン。芝・汐留・銀座の3店舗を展開する。 2005年より、和歌山に「hotel de YOSHINO」をオープン。 2006年、フランス版ミシュランで念願の星を獲得

WIKIPEDIAより

あの「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」がご自宅で食べられる【俺のEC】