ウポポイ正面

1200円という低価格で一日中、アイヌの文化を楽しむことができるウポポイは、少数民族や音楽、ダンス、語学などに興味を持っている人には特におすすめの施設です。国が予算を投入しているので、見栄えのある出来になっています。アイヌに興味がなくても、珍しい文化に興味のある人は楽しむことができるはずです。人によっては1日で回りきれないほどたくさんのイベントがあるので、何がやりたいのか決めてから行くと充実した1日を過ごすことができます。新千歳空港から1時間ほどで到着、登別温泉からは直行のバスで行くと便利です。

 

民族共生象徴空間 ウポポイとは?

令和2年7月にオープンしたばかりの新しい施設です。存続が危ぶまれるアイヌ文化の発展のため、そして多くの人がアイヌの文化や歴史について詳しく知らないという課題を解決し、差別のない社会を作るための要として作られました。ウポポイでは古式舞踊を鑑賞できるほか、映画の上映、アイヌ語のレッスンや丸木舟、弓矢の体験などさまざまな形でアイヌ文化に触れることができます。

 

ウポポイはなぜ作られた?

きっかけになったのは、平成21年の「先住民族の権利に関する国連宣言」の採択。国会でもアイヌを日本の先住民であると認め、「民族共生の象徴となる空間」を白老に作ることが決まりました。

 

なぜ北海道の白老(しらおい)が選ばれた?

白老にはもともとアイヌの祭具などを集めた文化資料館があり、また周囲にアイヌ文化の伝承者が多く住んでいました。その他の国の少数民族と交流を続けるなどの活動が認められ、白羽の矢が立ったようです。

 

ウポポイの意味とは?

(大勢で)歌い合うという意味です。この愛称は一般投票で決められ、他にウタルニ(仲間がいつもいるところ)、ウヌカリ(人が出会うところ)が候補として上がっていました。

 

ウポポイの入場には予約が必要?

2022年現在は公式ホームページで予約が必須となっています。ネットで予約し、クレジットカードもしくはコンビニなどで支払いをします。住所などを入力しなければならないので、結構手間がかかってしまうのですが、博物館の入場にも別途時間指定をしなくてはならないので、合わせて予約しておくのをおすすめします。ネットの口コミによると予約しないで当日入れた人もいるようです。

 

ウポポイの入場料金はいくら?

入場券は1200円。駐車場は500円です。ウポポイでの体験を一通りやろうと思うと1日では足らないので、スケジュールを見てやりたいことがたくさんある人や道内に住んでいる人などは2000円の年間パスポートを買うのも良いと思います。

 

ウポポイの評判・口コミは?

ネットでの評判はおおむね良いようです。不満を言っている人は全てを回る時間が足りないことへの苦情のようなので、スケジュールについては先に把握して、早めの到着、体験についてはすぐに予約を入れに行くと良いでしょう。また国の施設なので、ややエンターテイメント性に欠けているという人もいますが、入場料の低さや国の施設であることを考えると十分であると思います。

 

・アイヌ文化へのイメージが変わった

・聞いたことや見たことのない音や踊りに圧倒された

・必要なものだけをいただくというアイヌの精神は現代へのメッセージになる

・スタッフの教育がしっかりしている

・以前の資料館との規模が圧倒的に違いびっくりした

・もう少しエンターテイメント性が欲しかった

・食事の際に一度退場する必要があるが、再入場可能なので便利

・敷地が広いのでしっかり計画していかないと楽しめない

・レストランの料金が高め

・小学校低学年だと理解ができなさそう

小樽や函館にも行くつもりの人は次の記事もおすすめです。海鮮やイベントなどに興味のある人はぜひみてください。

洞爺湖や登別で宿を取るのもおすすめです。観光地のほかおすすめの宿も紹介しています。

ウポポイが初めての人にわかりやすい動画

全くウポポイのことを知らない人はこちらの動画でどんなものか見ておくと全体像が把握できて良いと思います。

ウポポイの見どころ紹介【ブログならではの体験記】

ウポポイの見どころはたくさんあります。1番のおすすめが古式舞踊と博物館です。その他アイヌ語を勉強したり、楽器の体験もできます。土日しかやっていないイベントもあり、夏休み期間にはさらにイベントが増えます。行く前に公式ホームページからスケジュールを確認して何に挑戦したいかを決めておくと良いでしょう。アイヌ語や楽器の体験は当日施設での予約が必要で、人気の講座は早くに埋まってしまいます。できるだけ早めにウポポイに到着しておくことがとても大切です。

絶対に見逃せないのが、古式舞踊と博物館です。

体験交流ホール シノッ

見応えのある古典舞踊やシアター上映を楽しめます。ホール内に大きな窓があり太陽光を入れられるのもポイントで、舞台によっては湖をバックに舞踊を楽しむこともできます。古典舞踊は1日に何度か行われ少しずつ内容を変えています。面白いと思った人は何度でもみてみると良いでしょう。人数制限があるので、事前に簡易のチケットを発行してもらう必要があります。なくてしまうと参加できなくなるので注意が必要です。30分前からの発行になるので、混んでいる時などは早めに行くと良いでしょう。

アイヌの古式舞踊は本州には全くみられない独自の文化で、発せられる言葉も全く本土の影響を受けていないと思われ、外国の文化とも思われるほど違っていてとても見応えがあります。一度どんなものか動画で見ておくと参考になるかと思います。なお2009年にアイヌ古式舞踊はユネスコの無形文化遺産に登録されています。

おすすめの踊り

・ドドマツの踊り 女性が長い髪を振り乱して風に揺れる松の木を表現。本州の文化では考えられない独特の動きが魅力的

・弓の踊り 男性が鳥を射ようとしたが、美しさのあまり打てなかった様子を表現。女性が中心である古式舞踊の中では男性の逞しさが光る踊り

短編映像上映 カムイを射止めた男の子

踊りなどをやっていない時間帯はアイヌに関するショートムービーを上映しています。一般的にはカムイは神と訳されることが多いのですが、個人的にはヒグマなどを神と言いながら射止めて食べるという考え方にものすごく違和感がありました。この映像を見ると、カムイという概念がよりわかりやすくなると思います。カムイは神のように絶対的な力を持つものではなく、人に大きな影響を及ぼす力を持つ道具や自然、動物を指します。

博物館

北海道に数カ所ある資料館の中でもずば抜けて大きく、見応えのある博物館です。所々で見ることができる映像ではアイヌの人々の迫害されてきた歴史にも触れています。映像を全て見ると1時間半以上かかってしまうので時間配分には注意しましょう。ネットで時間指定の予約が必要です。

 

カムイアイズ

ウポポイ

ドーム型のシアターで、キツネやタカになった気分で北海道の迫力ある自然を体験できます。3Dのメガネなどを装着するより圧迫感がないので、自然な感じで横方向の景色を楽しむことができます。20分ごとに上映されているので、イベントとイベントの間など時間調整に使うととても便利です。

体験学習館

ここでは、楽器の鑑賞だけでなく実際に演奏してみることもできます。私が体験したのが、「トンコリ」という弦楽器。弦をつまびくだけで、簡単に音が出る上に、開放弦という簡単な方法で演奏するので楽器をかじったことのある人には特にお勧めしたいレッスンです。一回のレッスンでアイヌの曲が一曲弾けるようになったので感動ものでした。事前予約制で料理のレッスンもあるので、興味のある人は早めに予約してみましょう。

ゴムはビヨーンと伸ばしたような面白い音が出る「ムックリ」も魅力的。こちらは楽譜を読む必要がないので音楽経験者でなくても良さそうです。コロナの影響で口に入れての体験はできないとのことです。

調理体験

動画ではアイヌを代表する料理オハウを作っています。

工房

工房では木彫りや刺繍を体験ができます。

木彫体験ではスマホスタンドにアイヌ模様を施すというもの。刺繍体験は布の袋にアイヌ模様を施します。手先が器用な人は体験してみると良さそうです。

 

ウポポイに行く前に見ておきたい漫画「ゴールデンカムイ」


ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

ウポポイに行く人であれば知っておきたいのが「ゴールデンカムイ」。文化庁や手塚治虫賞など権威のある賞を次々ととっている漫画で、この漫画がきっかけとなってアイヌ文化が広く認知されるようになったといっても過言ではないほどです。ミステリアスな展開でアイヌ文化の専門家も舌を巻くほどの内容になっています。アイヌのグルメなども扱っており、よりアイヌ文化が身近になること間違えなしです。行く前に同行者に見せておくのもとても良いと思います。

一番おすすめなのが、Amazon Primeでアニメを見る方法。既に入っている人はもちろん、まだの人は無料で30日間見られるのでお試し期間のうちに全部見てしまうのもおすすめです。そのほか鬼滅の刃や天気の子など少し古いけれど面白いものが揃っているので、Amazonを時々使う人であれば、そのまま会員になるのもいいと思います。ちなみにAmazon Primeで一番面白いのはリアル婚活番組のバチェラー・バチェロレッテシリーズ。役者でない人が見せる涙や恋の物語、美男美女の豪華な衣装などは一見の価値があります。騙されたと思って一度見てほしいです。


ゴールデンカムイ(第四期)

ゴールデンカムイの原作の方を読んでみたいと思う人は、コミックシーモアなどで最初の方を無料で立ち読みすることができるので、気にいるかどうかちらっと見てみるのも良いと思います。

ウポポイでの食事・レストランのおすすめは?

ウポポイのレストランエリアは無料で入ることができるので、アイヌの食べ物だけ試してみたいという人や近くまできたのでランチだけ楽しみたい人にも気軽によることができます。なお有料エリアに入場してしまった人は、一度退出しなくてはなりません。再入場できるように受付の人にしてもらう必要があります。

鹿肉など豪華なランチもいただけるのでアイヌや北海道らしいグルメを楽しみたい人にお勧めです。

焚火ダイニング・カフェ ハルランナ

ハルランナはアイヌ語で食べ物が降るよという意味。シンプルな塩やニンニクの味付けのみなので、肉の旨味がわかるようになっています。少し高めですが、地元のブランド牛「白老牛」・北海道名産のラム・鹿肉などの肉本来の味わいを楽しみたい人にうってつけのレストランです。14:00までがランチ、それ以降はカフェメニューになるようです。

公式ホームページ

ヒンナヒンナキッチン 炎

観光地価格ではありますが、ハルランナよりは手軽な料金で食べられるアイヌ料理のお店。無難に食べられる白老牛のカレーや行者ニンニクザンギ定食などがあります。味は一般的なフードコートの感じです。

食べログでヒンナヒンナキッチンの詳細を見る

ウポポイ近くの星野リゾート・界ポロトはおすすめ?【ブログならではの体験記】

界ポロトはウポポイに隣接しているので、ウポポイの一部と勘違いする人も多いようです。

少しお値段が高いのと人気なので予約が取りにくいという欠点はありますが、個人的にはとてもおすすめです。白樺をうまく取り入れたインテリアが特徴的で、食事もレベルが高く、星野リゾートの中でもおもてなしの精神があります。特に宿泊者限定の三角の湯はおすすめで、アイヌへの敬意を持ちながらもモダンなデザインを取り入れた美しい施設です。ここで入れるモール温泉は植物性の世界でも珍しい温泉。肌がツルツルになり、一度は体験してもらいたい温泉です。インフィニティエッジになっていて湖との一体感が非常に高いです。

 

丸の湯は一般客も利用可能ですが、湖を見ることができないことや施設があまり広くないので三角の湯ほどの満足感はありません。ただモール湯は一度体験する価値はあると思います。

 

北海道の星野リゾート ポロト湖

界ポロト ロビー
じゃらんで界ポロトの詳細を見る

実際の体験記はこちらをどうぞ。

ウポポイ周辺の高級宿

白老や虎杖浜に界ポロトだけでなく良い宿があるのでご紹介します。

海の別邸 ふる川

湖より北海道の海を楽しみたい人におすすめの宿。地元産のタラコや白老牛などを使った創作料理やラウンジで時間ごとに振る舞われる軽食や飲み物などが大好評です。多くの部屋がオーシャンフロントになっていて部屋からも海をゆっくり眺められます。愛犬と過ごせる部屋や窓辺にソファーが置かれた特別室などもあります。登別駅からの送迎がありとても便利です。


じゃらんで心のリゾート海の別邸ふる川の詳細を見る

楽天で海の別亭ふる川の詳細を見る

ピリカレラホテル

6室だけという小さな宿ですが、モール温泉が客室にあるという贅沢さがありプライベートを重視したい人にはおすすめです。オーベルジュとも言えるほど食にこだわっている宿で、オープンキッチンからはライブ感を楽しむことができます。眺望よりグルメにこだわる人におすすめの宿です。フレンチと和食から選ぶことができます。夕食後にはウィスキーや焼酎などがフリーで飲めるなどのサービスも好評。白老駅からの送迎があります。

じゃらんでピリカレラホテルの詳細を見る

楽天トラベルでピリカレラホテルの詳細を見る

その他おすすめの記事

阿寒湖にもアイヌ文化を鑑賞できる施設があります。こちらは主に夜の開催となっており、モダンダンスとアイヌ古式舞踊を混ぜた「ロストカムイ」や火を使った儀式「イオマンテの火祭り」などが見られます。ウポポイほど大規模な施設ではありませんが、料金が少し高いだけあり舞台はよりエンターテインメント性が高くなっています。


日本屈指の温泉、登別。ウポポイの近くのバス停「白老コタン」から登別温泉まで一日5本ですが直行でバスがあるので、うまく使うととても便利です。登別に宿を取るのも一つの選択肢でしょう。

大人の保養所といった雰囲気の支笏湖。高級ホテルがほとんどですが、静かな滞在を楽しむのにとてもおすすめです。


洞爺湖はリーズナブルなのに眺望が良いホテルばかりなので、ウポポイの後に訪れるのも良いのではないでしょうか。

おすすめガイドブック


まっぷる 冬の北海道’23

冬に特化したまっぷる。冬の情報飲みが知りたい人は持っていても良いでしょう。


J05 地球の歩き方 北海道 2023~2024 (地球の歩き方 J 05)

王道の他にも穴場まで詳しく載っているので道民も満足できるような内容になっています。


まっぷる 北海道’23

グルメ情報やお土産屋情報まで載っているまっぷる。写真が大きめで読みやすいのが特徴です。


るるぶ北海道’23

上記の「まっぷる北海道」と「るるぶ北海道」はKindle Unlimitedに入ると読み放題です。

初月無料。月980円でかなり広い範囲のガイドブックが読めるので旅をする人にはおすすめです。まっぷるは800円ぐらいなので一回で元がほぼ取れます。Kindleを買わずともスマホやパソコンでも読める上に、荷物が少なくなるのでとても便利ですよ。字が小さくなるのが欠点なのと地域によってKindle Unlimitedに入っていないところもあるのには気をつけてください。必要なページはスクショをとっておくと後から見つけやすいです。気に入らなければ、30日間無料のうちに解約すれば良いので是非試してみてください。その他雑誌とか少し古いベストセラーなど200万冊が読み放題です。

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