
山形の銀山温泉と蔵王温泉はどちらも山形を代表する観光地でもあり、どちらに泊まろうか悩んでいる人も多いのではないかと思います。個人的にはどちらも日帰りで良いので行ってみるのがおすすめですこの記事では二つの温泉の徹底比較やおすすめのホテルなどを紹介していきます。銀山温泉は、蔵王温泉に比べ非常に宿が取りにくいため、準備期間に数ヶ月あれば優先的に宿を探してみるのがおすすめです。
銀山温泉においては2024年12月から2025年の3月末までは日帰り客の交通規制・人数規制があります。17:00以降夜の幻想的な景色を日帰りでみたいという人は必ず公式ホームページでチェックしておいてください。近隣駐車場からのシャトルバス・入場料のチケットが1150円。大石田駅からの夜のツアーは往復4400円。オンラインでの支払いになります。以前写真場所を巡ってトラブルなどがあったり、交通渋滞で救急車が入れないという事態があったようです。
銀山温泉と蔵王温泉どっちが良い?
銀山温泉
風情のある温泉街はノスタルジックな雰囲気が素晴らしく全国屈指の風景。小さい宿が多く予約が取りにくい。夜のガス灯がついた景色は見る価値あり。
- 泉質
中性で透明。ほのかな硫黄のにおい。湯冷めせず、しっとりした感じになる
- 観光
足湯・銀鉱洞跡・貸衣装での散策など
- グルメ
尾花沢産のそば 尾花沢産のスイカジュース おしん飯(大根の入ったご飯) カレーパン 湯豆腐 生揚げ
- おすすめホテル
木造で歴史のあるホテルが多く、料金も高めですが、とても風情があり一度は泊まりたいところ。あとで詳しく解説するのでぜひ最後まで見てください。
蔵王温泉
山形最大の温泉リゾート。共同浴場も複数ある。(熱めのお湯なので注意)1-2月に見られる樹氷はわざわざ遠くから見に行く価値がある。秋の紅葉も美しい。お釜も名物の一つ。スキーができる。標高が高いので夏は避暑地としても。高台からは月山や鳥海山が見えて美しい。
- 泉質
泉質の良さは山形トップ。乳白色で強酸性。湯の花が舞い硫黄の香りが旅情を誘う。硫黄があると肌がかさつくことが多いが、蔵王は少ししっとりした感じになるのが不思議。
- 観光
ロープウェイで蔵王連邦に気軽にアクセス。1-2月の樹氷・お釜・足湯・共同湯や日帰り温泉の湯めぐり
- グルメ
冷たい肉そば・ジンギスカン・玉こんにゃく
蔵王国際ホテル
写真*楽天トラベルより
プロが選ぶホテル百選にも選ばれている優秀なホテルです。山形蔵王を代表する高級ホテルといえるでしょう。楽天では日本の宿アワードTOP47に選ばれており、また楽天トラベルの運営するWebマガジンでは雪見風呂の一位を取ったことがあるほどの実力です。東北らしさのある木をふんだんに使った風情のある大浴場は一見の価値があります。ロビーではコーヒーやアイスなどをいただくことができるのも高級ホテルらしいサービス。高級ホテルですが素泊まりプランがあるので、比較的安い額から泊まることができます。節約したい人はうまく利用すると良いでしょう。姉妹ホテルが二つあり、そちらも自由に行くことができるので、外湯巡りをしたような満足感を味わえます。素泊まり2名利用時 15,000円より。
姉妹ホテル「蔵王四季のホテル」「おおみや旅館」については下記の記事で扱っています。
山形蔵王の高級ホテルはどこに泊まろうか悩んでいないでしょうか。蔵王は樹氷、紅葉なども楽しめるほか、温泉の質もとても良くおすすめの観光地です。蔵王にはプロが選ぶ日本のホテルに選ばれているホテルや、楽天のアワードを受賞してい …
かみのやま温泉
蔵王のふもとにある温泉地で、昭和の雰囲気が残る温泉街。城下町で、武家屋敷なども残っており見学することができます。蔵王連峰を見ながら入る温泉はなかなか。JRの駅から徒歩でアクセスできるので、時間が限られているような人にもおすすめ。東京からの新幹線でのアクセスも良好です。
- 泉質
無色透明のアルカリ性温泉。トロッとしていて美肌の湯であることで有名。
- 観光
上山城・武家屋敷・浴衣で湯めぐり・足湯・共同浴場
- グルメ
芋煮カレー・ほんてん黒いドラ
- おすすめホテル
日本の宿 古窯(こよう)
こちらもプロが選ぶホテル百選に選ばれているほどの優秀なホテルです。美しい生花があちらこちらにいけられており格式の高さを感じます。屋上の露天風呂からはまさに絶景が広がっており、特に冬季は雪を被った美しい蔵王連邦を眺めることができます。1Fの大浴場には冷温サウナもあります。フェイスマスクなどアメニティーが充実しており、色浴衣も選べるなど特に女性におすすめの宿。食事も一つ一つが丁寧で、山形牛や米沢牛をメインとして、季節のごちそうがたっぷり出ます。時には松茸やフグなどの会席もあるのでプランをチェックしてみましょう。おもてなしや食事を期待されている方はぜひ泊まってみてください。
まとめ
日本屈指の風景を見たいということであれば、銀山温泉が一押しです。大正から昭和にかけて建てられた建物が川の両岸に建ち並ぶノスタルジックな雰囲気は他ではなかなか見られません。蔵王温泉は、他の温泉地でにありがちな雰囲気ではありますが、泉質がなかなか良く、泉質だけで決めるなら蔵王に軍配が上がると思います。蔵王の山々を眺めるのであれば、かみのやま温泉から眺めるのもなかなかです。
情緒 銀山温泉>蔵王温泉>かみのやま
泉質 蔵王温泉>かみのやま>銀山温泉
アクセス かみのやま>蔵王温泉>銀山温泉
銀山温泉はどこ?アクセスは?
銀山温泉は山形県の尾花沢市にあります。
電車とバスで
東京駅からは新庄行きの新幹線に乗りJR大石田駅まで。大石田駅からバス(銀山温泉行き)で約40分。バスは一日5便しかない上に雪の季節などはインバウンドの客が多いため乗れないことがあります。待合室でギリギリまでいると乗れなくなることがあるので、バス停近くで待っておくのがおすすめです。時刻表などはチェックしておくと良いでしょう。スーツケースなど大きい荷物は駅にコインロッカーがあるので入れておくのが良いと思います。ただし雪の季節は人が多く、バスが遅延することもあり乗り継ぎに遅れる場合があるのには気をつけておきましょう。
飛行機で
山形空港から銀山温泉行きの「おいしい山形空港観光バス」が一日2便出ています。前日予約で乗合タクシー「おいしい山形空港観光ライナー」もやっているので、時間に合うバスがない場合はうまく使ってみましょう。
夜行バス
東京からは山形駅行きのバスに乗ると良いでしょう。山形駅からJR大石田駅までそこから銀山温泉行きのバスに乗ります。山形行きが埋まっている場合は、仙台行きのものがおすすめ。そこから山形行きのバスに乗り換えます。福島だと朝早く着きすぎて、やることがなくなってしまいます。
個人的には3列独立したバスがおすすめです。1000円ほど相場より高いのですが、隣の人に遠慮することなくくつろげるのでリラックス感が高く帰りの日は朝から仕事をしたり、絶対触られたくない女性にもおすすめです。JAMJAMなどで3列独立のバスを扱っています。JAMJAMは蔵王行きのバスもあるので、うまく使うと朝から夜までたっぷり現地で遊べます。
jamjamで東京から山形行きのバスを探す
宿からの送迎
宿をとっている人は送迎をやっている場合があるので、チェックしてみると良いと思います。早くきて探索したい人や、帰りはゆっくり観光して帰りたい人などは送迎ではなく公共のバスも合わせて使うと良いでしょう。
銀山温泉の特徴
- 大正初期から昭和にかけて作られた建築物。風情のある温泉街
- 文化財に指定されている歴史のある宿から、外観は温泉街の雰囲気と調和しているが有名建築家が設計したモダンな旅館もある
- 旅館にあるこて絵も魅力の一つ。こて絵とは漆喰を使ったレリーフ。古山閣という旅館のものが有名
- あいらすげーなでは大正時代の衣装を貸し出ししている(冬季は宿泊者限定)
- インバウンドの客、特に台湾人に人気がある
銀山温泉はおしんの舞台や千と千尋の神隠しのモデルにも?
銀山温泉はその特徴的な外見からドラマの舞台として使われたり、有名な映画のモデルになったのではないかといわれています。
おしん
銀山温泉はおしんの舞台で使われたことにより、一躍有名になりました。銀山温泉で働くおしんの母に奉公前のおしんが会いに行くというシーンがあります。ただその頃は個人客より団体客を受け入れる温泉が全国的に強かったため、いきなりブームになったというわけではないようです。秘湯ブームや個人客が主流になってから大人気の温泉地になったようです。
千と千尋の神隠し
千と千尋の神隠しを作った宮崎監督は特にどこがモデルになったかというものはないと述べていますが、映画内には銀山温泉の旅館とよく似た旅館が出てきます。ちなみに全国のいろんな温泉宿からうちがモデルではないかと問い合わせがあったそうです。
銀山温泉の短所とコツ
- 宿は3ヶ月前に準備しておかないと宿はなかなか予約が取れない。川が見える部屋は早く埋まる。山側はあまり景色が良くない
- 人気がある旅館の予約について、予約サイトは一社しか扱っていないことが多いので、どの予約サイトで扱っているか知っておく必要がある
- 予約が取れない場合は、割と近い天童温泉や天童駅付近のビジネスホテルなどに宿泊すると良い。車がある人は宮城県の鳴子温泉も近い(鳴子温泉は温泉の種類がものすごく豊富で、温泉マニアにはすごくおすすめです)
- 2023.2月時点ではコロナのため日帰り入浴できる施設は2つ(詳しくは公式ホームページなどで最新情報を手に入れてください)
- 観光する場所はそれほど多くないので、日帰りでも十分。宿泊するとそれほどやることがなくなる
- 1-2月は特に混む。バスで行く人は満員で乗れないことがあるので早めに並ぶと良い
- 冬は白銀公園や延沢銀山遺跡の方までは雪のため行けなくなっている。温泉街の周りのみの観光になる
上でも紹介しましたが、鳴子温泉についでに行くのもおすすめです。この記事では鳴子温泉と宮城県を代表するもう一つの温泉、秋保温泉の徹底比較をしています。温泉の質にこだわる人は圧倒的に鳴子温泉、ゴージャスホテルにこだわる人は秋保温泉がおすすめです。
宮城県を代表する秋保温泉と鳴子温泉。どちらに行こうか悩んでないでしょうか。どちらも魅力のある温泉ですが、かなり趣が違います。鳴子温泉はエリアが非常に広く泉質にこだわる人におすすめ。秋保温泉は大型の洗練されたホテルが多く、 …
仙台に行くならお祭りの季節がおすすめ。七夕祭りなど一生に一度入ってみたい祭りや松島などを紹介しています。
仙台に行こうと思って色々と調べたけれど、面白そうな場所がないと思った人はいないでしょうか。仙台は街中はそこまで面白いものがないのですが、少し足を伸ばして秋保や松島に行くともっと面白いものがあると思います。また祭りの季節は …
銀山温泉の観光ポイントや所要時間は?
銀山温泉の温泉街の散歩だけなら30分、ランチ・足湯・カフェなどで2時間もあれば十分でしょう。もう少し時間があれば銀鉱洞・夏しらず坑の方まで回ることもできます。
和楽足湯
日帰り客に特にいってほしいのが足湯です。少し湯の花が混ざり、硫黄の匂いがする旅行者に嬉しいお湯です。目の前にある豆腐屋で豆腐を買って食べるのがスタイルのようで、たくさんの人が食べていました。吹き出し口からは暑いお湯が出るのと、底がぬるぬるしているので滑りやすいところには気をつけたいところ。タオルを持っていくと快適です。季節によっては川の中で泳ぐ川魚が見えるようです。
共同浴場 しろがね湯
隈研吾氏による建築物で小さいながらも和モダンな雰囲気のある建物です。三人ぐらいがやっと入れるサイズの浴槽ですが、コロナ禍では日帰り入浴をやっている旅館が少ないのでここを利用すると良いでしょう。営業時間は15時半までになっていますが、早く閉まることもあるので、早めにいっておくのがおすすめです。二階からは外の景色を眺めることができます。水曜定休日のほか、不定休あり
白銀の滝
銀鉱洞(延沢銀山跡)
延沢銀山はかつて日本三大銀山の一つに数えられ、江戸時代に最盛期を迎えました。今も昔のままの坑道を見学することができます。歩道橋が整備され中のライトアップもされており、散策も安全です。国指定史跡になっています。
夜の銀山温泉
ガス灯がともり雰囲気満点になります。日帰りの人でも写真好きな人は夜まで待って帰るのもよさそうです。(私が行ったときはバスの最終は6時台でした。そのあとはタクシーになるので注意)
銀山温泉のランチ・カフェは?
銀山温泉でランチやカフェができるところは数件しかないので、先に決めておくと良いでしょう。宿泊しなくても古い建物が醸し出す雰囲気をたっぷり味わうことができます。夜はお酒を出すところもありバーとしても使えそうです。
伊豆の華
銀山温泉の中でも最も有名な食事処。2階の窓際はとても景色がよく、川をゆっくり眺めることができます。名物は「揚げなすおろしそば」。山形名物の「板そば」やおしんに出てくる大根飯を再現した「おしんめし」などもあります。ちなみに私が冬に行った時は1時過ぎでも1時間待ちでした。名前を書いて順番を待つスタイルなので、少し散策して時間を潰すのも良いでしょう。14時半からはスイーツを中心にしたカフェに、18時からはお酒も提供する食事処になります。
銀山温泉 湯けむり食堂しろがね
22時までやっている食堂なので、夜遅くに到着した場合や、宿で暇な時にお酒を飲みにくるのにもよさそうです。ランチの後14時から15時半まで休憩の時間があるのには気をつけましょう。山形牛のハンバーグや尾花沢のスイカを使ったシェイクが大好評。窓側の席はなかなかの見晴らしです。
古山閣<銀山温泉の伝統的な宿>
四季を表したこて絵があるので有名な宿。玄関にある松のこて絵と招きおたふくも必見です。築90年の古い建物で大正の雰囲気が好きな人にはたまらないでしょう。年季の入った建物ではありますが、清潔感が保たれているので、快適に過ごせるはずです。貸切の露天風呂があり、カップルで楽しめるのも◯。部屋の鍵は南京錠を使って閉めます。尾花沢の名物のスイカや東北ならではの芋煮など地方を代表する食材を使った夕食も好評です。
おすすめの人
- 大正時代にタイムトリップしてみたい人
- 趣のある調度品やアンティークなどが好きな人
クラノバ<銀山温泉で味わうイタリアン>
写真*楽天トラベルより
古山閣の新館として建てられたオーベルジュ。和食ではなくイタリアンを楽しめるので、古い建物よりおしゃれな雰囲気が好きな人や洋食好きな人にも銀山温泉を楽しめるようになっています。浴場は古山閣の方にあるものを使用します。
おすすめの人
- 和食よりイタリアンを楽しみたい人
- 伝統的な建物より新しい感覚が良いという人
予約は古山閣と同じサイトで「新館」を選びます。
能登屋旅館<銀山温泉の伝統的な宿>
明治25年創業で国の登録文化財にもなっている宿。展望風呂(冬季閉鎖とのこと)や地下の洞窟風呂は予約制で貸し切ることが可能です。料理も滝川豆腐や鯉の甘煮など珍しい地元の料理が出ると大好評。有名な旅館の割にはそれほど値段が高くなく、値段以上におもてなしやサービス内容が良いものになっています。階段がとても多いのでシニアにはあまり向いていないでしょう。大石田駅間の送迎があり事前予約が必要です。
おすすめの人
- 国の登録文化財に泊まってみたい人
- 大正時代から使われている建物をじっくり味わいたい人
- 洞窟風呂や展望風呂など様々なお風呂を楽しみたい人
藤屋<銀山温泉の伝統とモダンを融合させた宿>
著名な建築家「隈研吾」氏による伝統とモダンが融合した旅館。部屋番号、ネジや扉の取ってをなくすなど非日常的な空間を演出することに成功しており、木の温もりが感じられるこの宿では特別な日の宿泊におすすめです。貸し切れる浴場は5箇所あります。料理も素材の味がわかる上品な味付け。芋煮など地元の郷土料理も出てきます。
藤屋の中が知りたい人は下の動画をどうぞ。
おすすめの人
- モダンな建築物の方が好きな人
- 非日常感を味わってみたい人
- 特別な日の宿泊を考えている人
- 部屋食が良い方
仙峡の宿 銀山荘<銀山温泉の入り口にある広くて優雅な宿>
温泉街までは6分ほど歩く必要がありますが、広々とした客室や大浴場から見える景色や川はなかなかのものです。半露天風呂がついている部屋もあり、雄大な景色を見ながらのんびり過ごす時間は贅沢そのもの。部屋数も比較的多く、銀山温泉の中では予約が取りやすい旅館といえます。私が見たときは一週間前でも空室がある日がありました。
おすすめの人
- 部屋からの景色にこだわる人
- 狭くて古い旅館より、広い部屋でのんびりしたい人
author: Kent Sasaki