大内宿の写真を見て一度は行きたいと思った人も多いのではないでしょうか。大内宿は2〜3時間で見て回ることができるので、宿泊する必要は特にないのですが、古い建物に泊まる経験は他ではなかなかできないのでおすすめです。また観光客のいなくなった夕方や朝の散歩も格別です。大内宿の宿泊施設のほか、見どころや食べ歩き方も紹介します。大内宿にビジネスホテルはないのですが、良心的な価格で一人でも泊まれる民宿があるので、日程が合うのか調べてみると良いと思います。会津若松の駅周辺には有名なチェーン店のビジネスホテルがありますのでそちらからの遠征もおすすめです。
大内宿はなぜ昔のまま残っているの?
大内宿のような宿場町は福島県にいくつかあったのですが、近代化とともにほとんどは取り壊されてしまいました。大内宿は幹線道路から離れていたことで近代化から逃れたこと、また火事が少なかった事から古い町並みが残ることになりました。
1981年に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されたのをきっかけに観光客が増加しました。住民憲章を制定し、「売らない・買わない・壊さない」の三原則を守ることにより景観の保護に努めています。
大内宿の特徴は?白川郷や奈良井宿など他のエリアとの比較や違い
白川郷や五箇山にも古い建築物が残っていますが、建物がバラバラな方向を向いており整然とした感じがないのが大内宿とは違っています。大内宿の建物は通りに向かって直角に建てられているので、非常に美しく感じられます。
長野県の奈良井宿も宿場町ですが、大内宿に比べると通りが少し狭く、建物に挟まれてるような圧迫感があります。大内宿は建物の前に小さな花壇のようなスペースが設けられているので、広々とした感じを受けます。奈良井宿は木造でお堅い感じを受けますが、大内宿は屋根が茅葺きで丸いので柔らかいイメージがあります。
通りの横には用水路が流れており、サラサラとした音をたて安らぎの空間を作っています。実際に生活でも使っているようで、地元の人が大根を洗っているのを見ました。
通りに古い建物が集まっているので、一気に回れるのは利点ですが、白川郷や奈良井宿に比べると見る場所が少なく滞在時間が少なくなってしまうのは欠点といえそうです。
大内宿が優れている部分
- 大通りがまっすぐに伸びているので非常に美しい
- 見どころが固まっているので車がない人でも楽しめる
- 奈良井宿より広く道がとられ、水路もあるので清々しい
- ネギそばなどSNS映えする特産品が多くあり、かつ美味しい
- 外国人にあまり知られていないため平日はそれほど混まない
大内宿の欠点
- 見どころに興味のない人はあっという間に観光が終わってしまう
- 近辺にあまり大きな観光地がない
- 作られた感が少しあり、テーマパークっぽい印象を受ける
白川郷の特徴
- 合掌造りの建物がたくさん残っており、見応えがある
- 世界遺産に登録されている
- 多くの建物に入ることが可能。合掌造りや雪の多い土地で暮らしてきた人々の生活の知恵などを学ぶことができる
- 絵になる風景が多い
- バスターミナルから見どころはほぼ徒歩圏内で車のない人にも便利
- 賞をとったご当地スイーツがあるなど若い女性が楽しめる要素がある
- レトロな喫茶店が複数ある
- レストランのチョイスが多い
- 立ち寄り温泉がある。川を見ながらの露天風呂は最高
- 合掌造りでない建物も景色に馴染むような色合いになっていて調和された感じがある
- 高山や五箇山など日本を代表する観光地が近くにあるので、組み合わせのバリエーションが豊富
- 外国人に人気で平日でも混雑しており風情が少ない
- 土産物屋などが多く観光地化されている感じがある
- 民宿などは若干高い
五箇山・白川郷もおすすめの観光地です。予習してぜひいつか行ってみてください。
五箇山と白川郷はどちらも世界遺産に登録された合掌造りで有名な観光地ですが、どう違うのか知りたい人も多いのではないでしょうか。どちらも似ていますが、微妙に違うところもありますので、この記事でしっかり違いを理解した上で、ぜひ …
五箇山の特徴
- この中では観光化されておらず、山里にひっそりと佇む村のイメージ。一番自然な印象を受ける
- 良心的な価格の民宿や食事処がある
- 家がバラバラな方向を向いているので、大内宿に比べると統一された美しさはない
大内宿の平均的な滞在時間は?
2〜3時間ぐらいです。店に入らず歩くだけなら30分もかからないでしょう。
大内宿はいつ行くのがおすすめ?
一番人気なのは10月下旬からの紅葉の季節。国道が渋滞するなどのデメリットもあるので気をつけて行くと良いでしょう。7-8月には近くの沢で蛍が出るので宿泊してみるのもあり。2月の雪まつりには花火が上がります。一面の雪に反射した花火がまるでオーロラのような雰囲気をもたらすとか。
下の動画は秋の紅葉シーズンのものです。画質もとても良く見ているだけで癒されます。例年は10月下旬から11月上旬が見時なのだそうです。
下の動画は雪祭りの様子です。2022年は中止になってしまいましたが、2023年は縮小して開催。2024年の催行は2月中旬予定です。
7月半ばから源氏蛍、続いて平家蛍。8月からは姫蛍が見られるそうです。
会津鉄道のホームページで蛍の時期について詳しく見る
大内宿の見どころや定番のモデルコースは?
1 町並み展示館で古い建物の内部や囲炉裏を見学(30分)
2見晴台に行って大内宿を見渡す定番の写真を撮る(20分)
3 とちもちなどのスイーツを食べたり、カフェに立ち寄ってリラックス(30分から1時間)
4 定番のネギそば(高遠そば)を食べる(1時間)
5 お土産やお酒を買う(30分から1時間)
大内宿での注意事項
人気のお店は土日はものすごく混んでしまいますし、逆に平日だと不定休のお店も多く、行くつもりだったお店が休んでいるということも珍しくありません。また12時あたりはピークになってしまうのでできるだけ避け、早いか遅いかのランチにするとスムーズでしょう。
町並み展示館
大内宿の真ん中にある他とは違った雰囲気のある建物です。この建物は復元したもので、昔からあるものではないそうなのですが、大名など身分が高い人が宿泊する施設(本陣)だけあって見応えがあります。広い空間の中には囲炉裏が置かれ、火が焚かれています。この火は茅葺きの防虫にもなるとか。雪隠(トイレ)や蚕などを育てていた中2階などもあり興味深いです。また茅葺の屋根をどうやって作るのかについて詳しい資料も展示されています。入場料がかかります。
大内宿の見晴台には行くべき?
大内宿の一番奥にあります。急な階段を登るのですが、隣に迂回ルートが設けられており緩やかな階段もあるので、ゆっくり行きたい人は迂回ルートを通ると良いと思います。定番の写真スポットになっており、SNS映えする写真が撮れるので写真が欲しい人はコースに組み入れると良いでしょう。
分家玉屋 【大内宿を代表するオシャレなカフェ】
観光地にあるカフェとは思えないくらいレベルの高いカフェ。クリームブリュレや豆乳ティラミスなどのスイーツが絶品です。縁側にテーブルがあり、外の景色をゆっくり眺めながらデザートを楽しめます。店員の対応に好感を持つ人も多いようです。
大内宿 味処みなとや 【大内宿を代表するスイーツ「しんごろう」のお店】
大内宿のスイーツといえば「しんごろう」。エゴマを使った味噌「じゅうねん味噌」は食べると十年長生きするといわれている食材です。ご飯を串にさし、じゅうねん味噌をたっぷり塗ったしんごろうは炭火の香ばしい香りが素晴らしく、素朴な味の中に深みが感じられる一品です。
栃餅も大内宿ならではのスイーツ。栃の実は処理が非常に大変で、餅を作るのに13日かかるといわれています。大内宿の栃餅は、青大豆のきな粉を使っているので、見た目も爽やかな色です。
その他、地鶏を使ったカレーや打ちたてのそばも好評です。
三澤屋 【元祖「高遠そば」を出すお店】
土日には行列ができる大人気のお店。高遠そばは大根の搾り汁を使ったそば。鰹出汁がたっぷり聞いたつゆも上品で、シンプルな具材ながら観光地とは思えないほどハイレベルなお蕎麦です。
ねぎを箸代わりに食べるのも面白く、薬味として時々かじるのも楽しいです。農家の人に頼んで少し曲がっているものを作っているそうです。口コミを見るとたまに辛かったとのコメントが見られましたが、私の食べたのは至って普通のネギでした。当たり外れが季節によってあるのかもしれません。
高遠は長野県の地名で、もともと高遠の藩主であった国替えの際に高遠からそば職人を連れていき、会津に流行らせたという経緯があるそうです。ちなみに高遠そばは冬も変わらず冷たいそうです。冬に行く人は温かいそばを出す店にしても良いかもしれません。
他にも岩魚料理やスイーツ、会津の郷土料理などもあるので、試してみたい人は頼んでみると良いでしょう。上の写真は通好みの”岩魚の骨酒”。他に唐揚げなどもあります。
大内宿 金太郎そば山本屋
ネギがあまり好みでない人やネギそばをすでに食べたことがある人はこちらがおすすめ。クリーミーなごまだれのようなくるみだれと毎日引臼を使って引いた蕎麦はかなりの高レベル。くるみも海外産のものではなく会津のものを使っているのだそうです。
大内宿のおすすめ宿<伊勢屋と扇屋>
大内宿は2022年現在では二つの宿に宿泊することができます。どちらも魅力的ですが、古い建物のためデメリットもあります。しっかり頭に叩き込んでおくと良いでしょう。
大内宿の民宿の特徴
大内宿は5時をすぎるとほとんどの店が閉まってしまうため、食事も頼んでおくと良いでしょう。文化財保護のため食事の持ち込みができなかったり、濡れたタオルも部屋に入れることができなかったりします。おもてなしを受けるというより、大事な建物に泊まらせてもらう意識で行くとちょうどいいと思います。
良い点
- 江戸時代に建てられた由緒ある建物、重要文化財に指定された建物に泊まれる
- 故郷に帰ってきたような感じを受ける
- 囲炉裏の体験ができる
- 5時を過ぎると観光客がほとんどいなくなり通りを独占できる
- 早朝の大内宿も雰囲気がある
- 夜は表札の灯りだけになり幻想的
- 楽天やじゃらんなどで気軽に空室照会や予約が取れる
- 夏は夜に蛍を見に行ける
- 川魚など地元の食材をたっぷりと使った食事が魅力的
- 会津の地酒が美味しい
悪い点
- 自然に囲まれており、虫が出る可能性がある
- 古い建物なので音が筒抜けになる
- 外観保護のためエアコンの室外機を置くことができない
- 建物の構造を変えることができないので部屋に鍵がない部屋もあるのには注意
- キャバシティが少ないので繁忙期は予約が取りにくい
- 風呂やトイレは共同。あまり広くない
伊勢屋<江戸時代から続く大内宿で唯一の民宿>
- 大内宿では江戸時代から続く唯一の民宿
- 文化財に指定されている特別室は重厚感がある。襖絵も美しい
- 一人旅の人も歓迎
- 適度な距離感で自由にしたい人むき
- ボリュームたっぷりの郷土料理
おすすめのプランは一階の特別室で郷土料理がたくさん出てくるプランです。大内宿がある下郷町では岩魚やニジマスなどの養殖が盛んで、これでもかというたっぷりとした量が出てきます。体験記はリンク先をどうぞ。
福島県の観光地・大内宿にはいくつか民宿がありますが、伊勢屋は江戸時代から続く唯一の宿です。文化財に指定されているため、いくつかのレギュレーションもあるのですが、茅葺の屋根の下に泊まることはとても貴重な体験になりますよ。会 …
民宿 本家扇屋<大内宿で蔵に泊まれる唯一の宿>
- 蔵に泊まることができる
- 名物女将がいる。軽いトーク、人柄が人気
- 岩魚の塩焼きが絶品
- 冬は駅からの送迎あり
大内宿のアクセスは?
電車で行く場合は湯野上温泉が最寄駅。3月中ばから11月までは湯野上温泉駅から大内宿までバスが一日に6本出ています。それ以外の季節は雪が積もっている可能性もあり、タクシーが必要。
- 浅草・北千住から東武鉄道で会津田島→会津鉄道で湯野上温泉。4時間ほど。
東武東急のリバティ会津に乗ると会津田島まで一本で行けるので便利。バスより速く、乗り換えで歩く距離が短く費用も少ない(6000円ほど)のでおすすめ。
- 東京駅から新幹線で郡山→JRで会津若松→会津鉄道で湯野上温泉。4時間ほど。
新幹線を使うので片道一万円を超えてしまうが、猪苗代湖に行く場合や会津若松で宿泊する場合などにおすすめ。
- 新宿駅からバスで会津若松→会津鉄道で湯野上温泉。約5時間半。
会津若松までのバスは料金がまちまち(2900円〜4900円)だが、往復で買うと割引があるので場合によっては、一番安くなる可能性がある。
周辺の宿
民宿より温泉宿の方が良いという人は芦ノ牧温泉や東山温泉がおすすめです。
芦ノ牧温泉
ダイナミックな渓谷沿いにある温泉地。芦ノ牧温泉はポカポカと体が温まる温泉であることが特徴で、子宝の湯ともいわれ、昔から高血圧や時にも効くなどといわれてきました。大内宿からは車で行くと近いのですが、電車で行くと遠回りになるのには注意が必要です。駅までの送迎をうまく使うといいでしょう。芦ノ牧温泉の駅にはラブという猫がおり駅長をやっています。
大川荘
写真 楽天トラベルより
写真 楽天トラベルより
ロビーにある浮き舞台では三味線の演奏を聴くことができとても好評。この浮舞台は鬼滅の刃で出てきた無限城のモデルではないかといわれています。ホテルの窓からは迫り来るダイナミックな山や流れの早い清流を眺めることができ、迫力満点です。棚田のような露天風呂も魅力的で、日帰りで入ることも可能です。サウナは男性がピンクソルトソウナ、女性が麦飯石寝転びサウナになっています。
芦ノ牧温泉 丸峰 本館
写真 楽天トラベルより
写真 楽天トラベルより
まとめ
大内宿は非常に満足の高い観光地です。民宿にぜひ一度は泊まってみて、普通の観光客では味わえない感覚をぜひ体験してみてください。民宿のキャパシティがあまりないので早めの予約がおすすめです。
大内宿が好きな人は五箇山や白川郷も好きなになると思います。予約サイトで簡単に空室紹介ができるおすすめホテルも紹介しています。
五箇山と白川郷はどちらも世界遺産に登録された合掌造りで有名な観光地ですが、どう違うのか知りたい人も多いのではないでしょうか。どちらも似ていますが、微妙に違うところもありますので、この記事でしっかり違いを理解した上で、ぜひ …