滋賀旅行の際に検索して出てきたグルメに”焼きサバそうめん”という不思議な名前の食べものがあることを発見し、どんなものか一度食べて帰りたいと思い食べ比べをしたときの記事を書きます。
焼きサバそうめん。。魚+麺という組み合わせは、にしんそばぐらいしか思いつかないし、調べていくとどこかの料理人の思い付きではなく郷土料理として食べられている歴史ある料理であることがわかりました。
農繁期である5月に、農家へ嫁いだ娘を持つ親が忙しい娘を気遣い、実家から嫁ぎ先に焼農繁期である5月に、農家へ嫁いだ娘を持つ親が忙しい娘を気遣い、実家から嫁ぎ先に焼鯖を届ける「五月見舞い」という湖北地方独特の習慣に由来する。農繁期に 気軽に作って食べられる料理として、また客をもてなす際などのハレの料理としても伝えられてきた。湖北地方は内陸に位置するが、比較的近い地域に若狭湾という鯖の産地があるため、鯖は一般的な食材であった。 という鯖の産地があるため、鯖は一般的な食材であった。 wikipedia より
若狭湾から京都に通じている鯖街道。ここに面している湖北地方だからこそ鯖が簡単に手に入り、保存食として使われていたそうめんを合わせて作られたとのこと。合理的な組み合わせだったのですね。
インターネットで調べると一番初めに出てくる店が翼果楼というお店。滋賀県の北のほうにある長浜市にあります。この店にまずは行ってみることとしました。
翼果楼 鯖街道焼きサバ寿し付 (1850円)
http://yokarou.com/menu.html
食べログのベスト5000にも入っている長浜市ならず滋賀を代表するようなお店かと思いますが、写真のとおり築二百年の古民家を使用しておりあたかも老舗を漂わせる風貌。(翼果楼の創業自体はそれほど古くないようです)中にはいるとインテリアも古民家にあったもので、行けている花が枯れていたりするのですがそれも雰囲気にあっていて、悪い感じは全くしませんでした。
頼んだのは鯖街道焼きサバ寿し付という1850円のコース。鯖そうめんの他焼きサバ寿司と豆腐、吸い物がついています。
食べログとかブログを見ていると醤油、みりん等の味付けで甘辛くおいしいと高評価のものが多いのですが、中には缶詰風の味というコメントも。味は缶詰に近いのですが、もっとふっくらとしたでき上がりになっており、私の食べたものはしっぽの大部分がどかっと入っており食べごたえがありました。そうめんは鯖の出汁が吸い込まれており美味。ただそうめんの量が多くたべていると鯖の味しかなく、単調で少し飽きてくるきらいがありました。もう少しさやえんどう等の具がはいっているとよいのではと思いました。焼きさばそうめんのみの注文だと間が持たず、少し厳しいのではないかと思われます。味に変化を付けるため寿司や小鉢などがあるコースがおすすめかと思います。
香り ★ 鯖の上に木の芽は入っているがそれほど香らない
店の雰囲気★★★★ 古民家を使って郷土料理を味わっている雰囲気をよく洗わせている。
おすすめ度 ★★★★ 美味というほどではなかったがよい雰囲気の中で珍しい料理を食べれるというのが非常に価値があると思う。
竹生島 近江の四季彩ランチ 2750円
二件目は琵琶湖のそばのホテル内に入っている竹生島という日本料理店で焼きサバそうめんをいただきました。この竹生島は60年以上続いている老舗の流れを汲んでるそうで、出汁、香り、塩加減などが絶妙な感じがいたしました。写真のとおり、ヨットハーバーが窓から見え、奥には琵琶湖も見えます。
焼きサバそうめんはアラカルトでは注文できず、頼んだコースは近江の色彩ランチ2780円。前菜が7品にお刺身、そしてメインは4品の中から選ぶことができ、その一つが焼きサバそうめんになっています。
こちらのお味は甘辛く煮ておらず、上品なつゆをしみこませたそうめんの上に塩焼きサバとつゆをしみこませたシイタケを載せたという感じで系統としては翼果楼とは異なります。翼果楼ではしつこかった、そうめんの量もそれほど多くなく、シイタケの味わいもあってグルメとしては竹生島のほうが上かなと思いました。また前菜も豊富で見た目もとても美しかったです。
香り★★★ 全体的に上品なつくり
店の雰囲気★★★ 上品だが、窓から琵琶湖がもう少し大きく見れるとよい
おすすめ ★★★ 美食としては全体的に竹生島が上だが、典型的な甘辛い焼きサバそうめんではなく、農家の娘に送る一品という感じがしない。
総括
味的には料亭の流れをくむ竹生島に軍配があがりましたが、母が娘を重んじで送る郷土料理というコンセプトではやはり翼果楼のほうがうまく表現できており観光客の心をつかんでいるなという印象を受けました。テレビなどのマスコミや芸能人が訪れるのもただ味がよいかというだけでなく何を体験したいかということが重要なのだなと思います。
表題の「焼きサバそうめんは食べに行く価値があるか」ですが、個人的には、素材二つの組み合わせによって独特な食べ物に変わっているとはいいがたいため想像のつく範疇の食べ物であり、わざわざこのために長浜を訪れる必要性はないが、ユニークではあり普通においしいので話のネタとして食べに行くのは大いにありと思いました。