コロナが広がる直前に南極旅行(南極半島、フォークランド諸島、サウスジョージア島に行ってきたときの体験談(QUARK社)を書きたいと思います。
南極旅行でできること
よく聞かれるのが、南極で何をするのかということです。南極の一番の醍醐味はやはり氷山、流氷、氷河などを客船のなかからゆっくり眺めることじゃないかと思います。その他にもペンギンのコロニーを訪ねたり、雪山を登ったり、ゾディアックというゴムボートに乗って3mもある獰猛なヒョウアザラシの寝顔をみたり、シャチやクジラを船からさがしたりと、動物や美しい自然風景が好きな人におすすめの場所です。旅慣れた人でも感動させられるというまさに旅の最終ステージの印象がありました。また南極の海へ飛び込みをする体験ができたり、オプションになりますが、キャンプ、カヤック、SUPなども有料ですることができます。(濡れると大変なのでドライスーツを着てやることになります)ちなみに南極旅行で行くゾーンはオーロラゾーンにないのでオーロラが見れるのは稀だそうです。
旅行代理店のパンフレットに具体的に何をするのか書かれていないのはその時の天候状態によってできることが全く変わってくるためと思われます。具体的にその日何をするのかよくわからないまま、船の外に出ることも多く、ガイドがその日の状態によってやることを決定せざるを得ないため事前説明がなかったのではないかと思います。
北極旅行と南極旅行の違い
夏にしか行けないのでシーズンが逆になります。(北極は4-10月がメイン 南極は11-3月がメイン)
また気温にもかなり差があり、流氷の厚さや迫力は南極が有利になります。北極旅行はロシアルート、カナダルート、イギリスルート、ノルウェールートなど様々なルートがあり、夏には花が咲くエリアもあります。人が住んでいるエリアすらあり、行ける場所もかなり多岐にわたりますが、南極は北極よりさらに寒いため、コケ類など一部の植物を除いてはほとんど緑はなく、研究員を除いて人が住んでいない場所になります。
北極で見れる動物は ホッキョクグマ、セイウチ、ジャコウウシ、南極見られるのはペンギン、アザラシなどがあります。
南極大陸は7大陸の一つですので、制覇を狙っている人には、おすすめの目的地になります。ちなみに私は南極大陸には4日のうち一回しか上陸できませんでした。(一回は氷で阻まれて上陸できず、あとは大陸ではなく島への上陸でした)なので悪天候だった場合は一度も上陸できない人がいても不思議でないと思います。
南極半島までのアクセス
複数ありますが、アルゼンチンのブエノスアイレスを経由してアルゼンチンの南端にあるウシュアイアという町から船に乗っていくというのが一般的です。その他チリから行く方法や、船ではなく飛行機で南極近くの島にまで行く方法があります。飛行機はものすごく揺れることで有名なドレイク海峡を渡らなくてよい上に、日程が少なくてすみますが金額がかなりかかってしまうのと天気が悪いと飛ばないというデメリットがあります。船のほうが安定しているので、安定したスケジュールやコストの面からは船の選択がよいと思います。
どんな格好でいくのか
南半球の夏(日本の冬)であればおよそ-5~5℃の間なので、日本のスキー場に行けるような恰好であれば十分です。QUARK社であれば厚めのパーカーをプレゼントしてもらえ、また長靴も貸してもらえるので、スニーカーとかで行ってもOKです。長靴は滑り止めのような機能もあり雪山登りもそのまま行けました。ただしゴムボートで島に上陸する際は波に濡れてかなり冷えてしまうので防水性のズボン、グローブは必須になります。ただこれらを忘れても、普通の価格で船の中でも買えるので心配はいりません。
英語について
私が参加した時は、6-7割方がアメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスといった英語を母国語とする人たちばかりで、無料で受けられる南極についての講義や次の日のブリーフィングなどもかなりの高スピードで話されるので英語に慣れている人でないと、話も分からないし、ほかの人達ともコミュニケーションがとりづらく結構ストレスになるのではないかと思いました。そういう日本人の方がいました。
参加者の年齢
私の印象では7-8割方、50-70代のイメージでした。定年退職された、もしくは間際という感じの方が多かったように思います。一人で来ている人の中には20-30代の方もおられました。
私の知人は定年まで待っていると体力がなくなって南極に行けなくなると脅していたのですが、QUARK社のツアーは老人が多く無理のないアクティビティばかりでしたので定年退職後のお楽しみに取っておいてもいいんじゃないのかなという印象を受けました。
南極旅行コストパフォーマンス
昔は出港直前に開きがあれば安くするというLast Minutesという制度で10万ぐらいから南極旅行に行けたそうですが、最近は割引しても少なくとも50万はするようです。私が使った老舗のQUARK社は一番安い三人部屋のシェアは割引をせず、高い部屋のみ割り引いていたようです。私が使ったのは280万がLast Minutesで半額になって23日の旅程で合計140万という感じになりました。二人以上で行く場合は、早めに予約すると10-20%程度安くなるのでそれを使った方がよいと思います。一人で行く場合はLast Minutesを使えばだいたい1日当たり5-6万ぐらいでクルーズができると思いますが、割引なしとなると更なる額を覚悟しなくてはなりません。ホテル代、交通費、ツアー案内料その他含めているとは言えやっぱりコストパフォーマンスはあまりよくないなというのが本音でした。
近年は中国人の需要が増えてクルーズの予約がすぐに埋まり値段もあがっていたらしいのですが、コロナ騒ぎで懸念したいのが、クルーズ会社の倒産だと思います。アメリカ政府はクルーズ会社を救済の対象にしていないそうなので、高額振り込んでツアーを行わないとなった場合かなり衝撃が大きいように思います。もう少しコロナの動向とクルーズ業界がどういう方向で動くか確かめてから手を出さないと危ないと思います。